鈴木鼓太郎のジャベリン

これまで様々なフィニッシュホールドを使って来た鈴木鼓太郎が、全日本プロレス時代に開発した、アッパー式のエルボー。

鼓太郎としては珍しい打撃の必殺技です。

 

2009年に衝撃を与えた 三沢光晴の没後

若手時代からずっと師事しており、常に憧れの存在だった三沢の遺志を継ぐかの様に、今まで使わなかった エルボー系統の技を頻繁に使用する様になった鼓太郎ですが、全日本プロレス移籍後の2015年から 新たなフィニッシュホールドとして開発。

三沢の技を継承するのは、タイガードライバーであるエメラルドフロウジョンが多かったと思いますが、敢えてエルボーを使って来たのには、鼓太郎なりの師匠に対する想いも感じられました。

 

確かにエルボーと言えば、三沢の若い頃からの代名詞で、三沢の意志を継ぐと言う形で継承するには相応しい技かも知れませんが、同時に継承するのは、最も難しい技だとも言えるんじゃないでしょうか?

 

エルボーは、見た目だけなら誰でも出来ます。

しかし 初めて喰らった相手は、誰もが驚愕の表情を見せるあのエルボーだけは誰にも真似できないと思います。

実際に鼓太郎も三沢没後 すぐに左右のワンツーエルボーや、ローリングエルボー等を使用してはいましたが、ヘビー級の三沢と違って軽量級の鼓太郎のエルボーには、どうにも重さが足りず 物足りなさを感じていたのが、正直な所でした。

そんじょそこいらのヘビー級選手でも 三沢並みのエルボーを打てと言うのは難しいので、鼓太郎に三沢並みのエルボーを打てと言うのは酷な話でしょう。

 

ですが、そこは様々な技を開発してきた鼓太郎

重さが足りないなら、スピードと角度でそれを補う事を考えました。

 

2015年に試行錯誤を重ね開発した アッパー式エルボーのジャベリンは重さと言うよりも下から「スパン!!」と打ち抜く感じで振りぬくので、重さよりも”キレ”に、重きを置いている様な感じですかね。

エルボースマッシュともまた違います。

 

鼓太郎がジャベリンを必殺技にしていた期間は、何故か短いのですが、その期間は実に濃密な物でした。

2015年には、Jr. BATTLE OF GLORYと世界ジュニアヘビー級の全日本Jr.の2大タイトルを手中に収め 全日Jr.の主役となりましたが、その時にフィニッシュとなったのは、供にこのジャベリンでした。

 

今後も鼓太郎の活躍の原動力となる事は間違いない・・・と思っていたのですが、これ以降ジャベリンでの目立ったフィニッシュは余り無く 全日本を退団してNOAHに出戻りを果たした後は、益々 影が薄くなっていってしまいます。

何故だか分かりませんが、これは勿体なかったですね。

やっぱり見た目が派手な タイガードライバーとかの方が良かったんでしょうか?

 

ジャベリンは格好いい技だったので、並行してこちらも大事に使っていって欲しかったですけどね。