中嶋勝彦が全日本参戦!そして3冠挑戦が正式決定!

10月31日 全日本プロレスは、9月をもってノアを退団してフリーとなった〝蹴撃王〟中嶋勝彦の参戦を正式決定した事を明らかとし、更には青柳優馬の保持する3冠ヘビー級王座への中嶋の挑戦も発表した。

いずれ この展開になるだろうとは、何となく思ってはいたんですが、意外にも全日本の発表が早くて驚きました。

 

ノアでのラストマッチを目前にして 全日本の会場に現れた中嶋が、その日に3冠戦で敗れた宮原健斗を花束で殴打するというパフォーマンスを行なった事が、全ての始まり

この行動には、かつての盟友である拳王には「義理と人情」に欠ける事と厳しく批判され、全日本の社長ですら知らなかったという中嶋の独断による行動には、批判も少なからずありました。 しかしこれらの行動は全て中嶋の思惑通りだったと言う事でしょう。

 

「全日本を乗っ取る」

全日本参戦が正式決定をした際の会見で、中嶋は社長の制止を振り切り 強引に社長室で会見を行ないながら堂々と「全日本を乗っ取る」とまで言い切りました

なかなかの傍若無人ぶりを披露している事から、これから先の中嶋はややヒール寄りの立ち位置を目指しているのでしょうか。

 

これは良いと思います。

2020年に、中嶋はW-1に外敵として参戦していた時期がありましたが、最高王座のWRESTLE-1王座を強奪したばかりか、憎々しい態度とその強さと激しさで、W-1の若い選手を蹂躙していたその姿は、実にサマになっていたものです。

中嶋は行儀のいいベビーフェイスでやるより、ヒール寄りの位置に立っている方がファイトスタイル的にも性にあっているのでしょうね。

 

あの時の再現となったら、これはワクワクする展開ではありますが、その為にはいきなり躓く訳にはいかないので、ここでの3冠奪取は最低条件となります。

とはいえ、いきなり土足で上がり込んできた中嶋の事を 現在の王者・青柳が許す筈もありません。

外敵・永田裕志から王座を奪回して、諏訪魔や宮原をも倒して新時代の先頭に立つ青柳からすれば、こんな所で絶対に外敵にベルトを奪われる訳にはいきません。

 

青柳には頑張って欲しい所なんですが、ここで中嶋が王座を取らないと終わっちゃうし、ストーリー的には中嶋が勝った方が面白くなるのには間違いないんですよね~ 複雑な気分だ・・・

 

実際の試合の結果はさておき、チケットを買って客として来た筈の中嶋の”花束殴打事件”は、会社も宮原も知れされていない中での中嶋の独断による意図的なもので、プロレス団体側の演出でも無い以上は、完全な中嶋個人のパフォーマンス。

中嶋は既にフリーだったので、そこに契約問題は存在しませんが、団体側の承認なしでの外部からの勝手なアングル作りは、本来はタブー。

この状況を許して 全日本参戦からの即3冠挑戦を認めた会社には、内外からの批判の声もあるかも知れません。

 

しかし中嶋の行動が話題になったのも事実ならば、何だかんだで中嶋と宮原の第2Rを期待していた人が多かったのも事実

現に7月に行なわれた2人の対決は、後楽園に1515人のお客さんが詰めかけ超満員札止めを記録しています。 この事からもプロレス界で2人の対決が注目されている事は分かるでしょう。

 

例え不義理な行動であったとしても ファンが求める物ならば興行会社としてはトレンドな話題を取り込む事には一理あります。 ”集客をしてなんぼ”のこの世界では、話題になり客を呼び込める可能性の高い 中嶋参戦は、遅かれ早かれ実現はしていたと思います。

最終的に全日本が組もうと思っているのは、因縁の中嶋vs宮原の健介オフィス対決第2Rなのは言うまでもないでしょう。

 

中嶋のあの行動には個人的にも賛同はしかねますが、そこを差し引いても中嶋の全日本参戦は素直に楽しみだし、vs宮原健斗となったらこれまた楽しみです。

ただ それはそれとして そこに”待った”をかけるのは、全日本の新世代の旗手として現・3冠王者の青柳優馬の使命であり、責務でもあります。

 

「全日本プロレスをジャックしてこの俺、中嶋勝彦がプロレス界の地形ごと変えてやる」

しかし この言葉からもフリーになったばかりで、プロレス界の地形を変え自らの手で絶景に造り変えようとしている中嶋の決意が、並大抵の物では無い事は分かります。

 

中嶋が突き進むか、青柳が食い止めるか?

2024年の全日本の流れを決める闘いは、11月5日 北海道・ホテルエミシア札幌にて行なわれます!