青柳優馬「若い芽を潰しに行く」

これはプロレス団体に限った事でもなく当たり前の事ですが、過去があって、現在があり、そして未来がある事でプロレス団体は、その歴史を紡いできました。

未来とは言わずと知れた 団体の未来を担うであろう若い人材の事で、会社やベテラン選手達は団体を存続させる為に、若手をいかに成長させるかに尽力しています。

時代が進むに連れて 世代交代というものは付き物で、その過程で若手が現在のトップ勢を越える為の”世代闘争”というのは、プロレス界では良く見られる風景です。

 

世代闘争では、いずれ若手がベテランを越える形こそが最終的に最も望ましい形で、その結果が有るからこそ時代は紡がれていく事になります。

とは言ってもベテラン選手も易々と若手にその座を渡す訳では無く、若手の成長の為にも自らが”高い壁”となり、闘いの中で若手を鍛え上げる形こそが、世代を越えたレスラーの闘いの意味だと思います。

 

口では「ブッ潰してやる」とか手厳しい事を言う事もありますが、本心では後輩の成長を望んでいるのは、自分が好きな所属団体の為にも プロレス業界の為にも当然の事でしょう。

 

しかし そんな考えを持たない選手も居た事に驚きました。

青柳優馬です。

青柳は全日本プロレスの次期エース候補として、目覚ましい成長を遂げており 2022年のチャンピオンカーニバルでは、26歳6か月で初制覇するという、最年少優勝記録を樹立しています。

これは、かつて全日本で育った 四天王や秋山準、諏訪魔らも達成できなかった記録なので、素直に凄い事だと思います。

 

しかし こんな記録を持っているばかりに、青柳がとんでも無い事を口走ってしまいました(笑)

今年のチャンピオンカーニバルには、前年度覇者として青柳もAブロックにエントリーされていますが、青柳よりも更に若い現在23歳の本田竜輝と安齊勇馬もエントリーされています。

 

そこで青柳が放った言葉とは

「若い芽を潰しに行く」

自分の団体の若手に何言っちゃってんですか!?

 

この発言の真意は、仮に彼らが優勝を果たせば、青柳が築いた最年少記録を大きく更新されてしまうしまう事からなのですが、普通は「高い壁になる!」とか「まだまだ時代は渡さない」とかなのに、思いっきり自分の記録を守る為に、フりきってるのが青柳らしくて また面白いと思います。

偉大な先人達は、業界の未来の為に「自分の記録を破って欲しい」というニュアンスの発言をしていた事が良くありましたが、それなのに青柳ときたら(笑)。

物凄く自分中心な考えが、逆にナイスです。

 

青柳と同じAブロックにいる本田については「撤退的に潰しておきたいなと。Aブロックの皆さんにも、対本田竜輝に関しては一番頑張って貰いたい」と自己中な協力要請。

まだまだ青柳の自己中は止まりません。

更に別ブロックの安齋に対しても「Bブロックの方々には、対安齊勇馬はとにかく力を入れて徹底的に潰してほしい。若い芽をどんどん潰していきたいなと。若い芽を摘み取って、出る杭は打ちたいなと思います。彼らが26歳6か月を超えるまで、僕は気が抜けません」と別ブロックのメンバーに対しても、自己中な協力要請。

 

あからさまな彼らの妨害をするのは、あくまで「自分がチャンピオンカーニバルを優勝した時の年齢まで」という事ではありますが、周囲の選手に協力要請をしなくても、自分が実力で優勝すれば良いだけの話なのに、それをわざわざ周囲の協力を仰いでまで、自分の記録を守ろうとする辺りは、ある意味素晴らしいです。

 

自分のキャラをここまで貫くのも大したもんです。

ガチの人間性がこれだと少し”アレ”ですが、プロレスラーとしては全然”アリ”ですね。