遺恨決着は何故日本追放マッチ?

新日本プロレスでは、次期シリーズの主要対戦カードを発表しましたが、タイトルマッチ等の注目カードが並ぶ中で、余り聞きなれないルールの試合が組まれています。

 

最終戦となる2月11日エディオンアリーナ大阪大会

「ルーザー・リーブ・ジャパンマッチ」として組まれたジェイ・ホワイトvsヒクレオの一戦。

「敗者日本追放マッチ」

早い話が、試合に敗れた方が、日本を追放されるという とんでもないハイリスクな試合です。

 

この試合に、こんなルールが適用されるとは正直言って唐突感も否めないですが、事の発端は昨年にジェイの差し金によりタマ・トンガがバレットクラブを追放された事にはじまります。

その後タマとバレットクラブの抗争がスタートして、タマの弟であるヒクレオの動向も注目されていましたが、ヒクレオが付いたのは、やはり兄であるタマの方。

ジェイに強烈なチョークスラムを喰らわせて バレットクラブとの決別。

 

これはヒクレオの転機でした。

新たな道を歩きだしたヒクレオは、覚醒の兆しを見せて、リング上でその体格を活かして大暴れ。NEVER選手権では敗れたとは言え、今後を期待させるには充分でしたね。

 

そんな折、ジェイは今年の1・4東京ドームで、オカダ・カズチカに敗れ王座転落。

その敗戦の責任は、何故か全てヒクレオのせいだと主張。

完全な八つ当たりです。

確かにヒクレオは、ジェイを裏切った形にはなりましたが、それと今回の敗戦は何の関係もありません。

もはや言い掛かりです。

 

翌日の試合では、ベルトを失った怒りをヒクレオにぶつけ椅子で滅多打ち、そしてブレイドランナーでKOしてしまい、更には「敗者追放マッチ」をブチあげてしまいました。

完全な、とばっちりです。

 

しかしヒクレオもジェイを裏切り、対角線に立つ立場になった以上は、売られた喧嘩は買うまでと、これを受けて立つ構えを見せた事で「ルーザー・リーブ・ジャパンマッチ」の正式な発表となりました。

負けた方が日本を去るというのは、遺恨精算マッチとしては、究極ともいえる決着方法ですが、ここで疑問なのが裏切りが当たり前のプロレス界に置いて、ジェイとヒクレオがここまでやる必要があったのか?という事。

 

今や新日本のトップレスラーとして確固たる地位を築いたジェイ・ホワイト。

恵まれた身体で、数年後のトップ外国人として将来を期待されているヒクレオ。

 

リスクのある闘いは、見ている側はハラハラして面白いかも知れませんが、どちらが日本を去るにしても新日本にとっては損失という事。

ジェイは「俺を裏切った事は許さない」と怒り心頭でしたが、そもそもジェイが遠く離れたアメリカから仲間に指示を出してタマを裏切ったのが発端な訳で・・・

ドーム決戦で負けた直後に、ジェイが弱気になるのはいつもの事ですが、どうにも負けた腹いせにヒクレオのせいにしたのは、不自然なんですよね。

 

余り裏の事を考えるのは好きではありませんが、一月と言えば新日本の契約更改の時期なので、最初からジェイかヒクレオの他団体移籍が決まっていたからこそ、唐突に追放マッチなんて組まれたのでしょうか?

WWEはヒクレオ獲得に動いているという話もあるし、ジェイに関しては引く手数多な筈なので、本人にその気さえあれば、どこの団体にでもいつでも移籍は可能だと思います。

 

本人の希望による移籍が絡んでいるのならば、他人がとやかく言う事ではありませんが、やはりジェイにもヒクレオにも新日本を辞めて欲しくはありませんね。

このルールが発表された以上は、しょうがないですが、負けた方は一旦追放となって、しれっと別キャラになって日本に復帰・・とかなったとしても それはそれで全然アリです。

プロレス界には、そんな事は今まで何度もありましたしね。