橋本大地のライジングDDT

かつて橋本真也が、絶大な自信を持ち最も得意としていた技が、垂直落下式DDT。

あれは破壊王と呼ばれる橋本のイメージにも実に良く合っていて、技が決まれば一撃必殺の文字通りの必殺技でした。

 

そんな橋本も2005年に急逝してしまい、プロレス界には大きな穴が空いてしまいましたが、2011年にはその息子・橋本大地が、父の意思を継ぎプロレスラーとして産声をあげました。

父の活躍を観ていた世代としては、大地には多いに期待していたし、ゆくゆくは破壊王の様な爆殺ファイトや、それなりの格が付いてくれば、垂直落下式DDTの継承と言った事も密かに期待していました。

 

そして大地も偉大な先輩達に揉まれてキャリアが1年を過ぎた2012年。

それまでは蝶野正洋や武藤敬司から授かったSTFやシャイニングウィザードを得意技にしていましたが、何となくその日の大地の試合結果だけを見ていたら、フィニッシュの所に「垂直落下式DDT」と記載されているではありませんか!

キャリア的にまだ早い気もしましたが、亡き父の必殺技を 遂に使い始めたのか!!と橋本真也のファンだった自分も嬉しかったのを覚えています。

 

・・・でも実際に技を使用している場面を見ると 少し違ったようです。

 

橋本真也の垂直落下式DDTとは、形としては垂直落下式ブレーンバスター。

しかし大地の垂直落下式DDTとは、相手の首を正面から左脇に抱え込み 右手でタイツを掴みながら、相手の体が垂直になるまで抱え上げた所で、後方に倒れ込んで脳天からマットに突き刺す技。

 

父と違う点は、相手の腕を自分の首に掛けない所なので、形としては垂直落下式のインプラントDDTでしょうか。

 

最初は「なんだ 橋本真也の技じゃないのか・・・」とも思いましたが、これはこれで良かったと思います。

デビュー前から父の試合を何度もビデオで観て研究していたと言う大地なので、父の代名詞を意識していたのは、間違い無いでしょうが、いくら父が偉大なプロレスラーだったとは言っても大地には大地にしか出せない色があるので、自分の個性を全面に出して 父の物真似ではない 橋本大地を築いていけば良いと思います。

 

それまでは垂直落下式DDTと表記されていたこの技も2013年には、正式にライジングDDTと命名され、晴れて橋本大地のオリジナル技に。

あの関本大介をもフォールした事があるので、父の垂直落下式DDTにも負けない 正しく一撃必殺の技に成長したと言えるのではないでしょうか。