GHCナショナル王座が誕生した日

NOAHの至宝は、言うまでも無くGHCヘビー級選手権。

これまで三沢光晴。小橋建太、秋山準など多くのNOAHを代表して来た選手が、その王座を争い、自らの身体を削りながら団体を盛り上げて来ました。

NOAHを主戦場にしているヘビー級の選手は、全員がその王座を目指して同じ目的の元に、毎日激しい戦いをしていたと思います。

 

しかし2019年11月2日 NOAHに新たな王座が誕生する事になります。

この当初は正直言って無理に、王座を増やす必要が全く分からなかったし、新王座の設立にはイマイチ賛成出来ませんでした。

NOAHは過去に、秋山が提唱したGHC無差別級王座と言う王座が有りましたが(通称・白GHC)通常のGHCヘビー級では出来ない色々な事をやって面白いなとは思ったのですが、結局いつの間にか自然消滅してしまった経緯があります。

 

このナショナル王座も階級的には、無差別級と言う位置付けで白GHCと被っていたので、同じ道を辿るのでは?と言う不安はありました。

 

ナショナル王座は、一応NOHAの国内大会のみで王座戦を行うと言う縛りが有るのですが、昔はともかく現在のNOAHは海外では、余り王座戦を開催していないから、この縛りに意味があるのかどうかも正直微妙でした。

そしライバル団体・新日本プロレスの、IWGPインターコンチネンタルの様な位置付けになるんだろうと言う事は想像できましたが、新日本がインターコンチネンタルなのに対して NOAHがナショナルなのは、スケール的にも小さいので止めた方が良いとは思ったんですが、まぁ結局の所IWGPインターコンチネンタルも、普通の国内タイトルと大差は無かったんですけどね・・・

 

何にせよ新王座を作る以上は、自然消滅だけは止めてくれよ・・・と思いつつ初代王座決定戦が行われた訳ですが、その決定戦にたまげました。

まさかの杉浦貴vsマイケル・エルガン!

 

エルガンと言えば、同年の3月まで新日本プロレスに所属していた外国人選手。

新日本とは契約を満了しているので、問題は全くなかった訳ですが、この直前に大日本プロレスにも参戦して関本大介とも闘っていたので、まさかここでエルガンの名前が出て来るとは思わなかっただけに、突如組まれた夢のカードにワクワクしました。

少し前に海外で、エルガンは丸藤正道とも対戦していた事も有り、その時点からエルガンが何らかの形でNOAHと絡む事は有るかも・・・?と言う空気はありましたが、まさか新王座の初代王座決定戦に絡んで来るとは・・・

 

これまでNOAHとほとんど接点の無かったエルガンを新王座決定戦に絡ませるのは、どうなんだ?と言う声も有りましたが、これはNOAHも巧いやり方をするなと思ったもんです・・・間違いなく この瞬間にGHCナショナル王座の注目度は高くなりました。

結果 激戦を制した杉浦貴が、初代王者に輝きました。

 

この王座に関しては、設立時はイマイチ趣旨が理解できませんでしたが、今ではNOAHに必要な王座だと思っています。

歴代王者達の戦いぶりが素晴らしいのも有ったのですが、バチバチ系の選手達が集まって来る傾向にあるので、GHCヘビー級王座とは違うベクトルで歴史を重ねて行く王座もアリかな?と今では思うようになりました。

 

何なら個人的には、GHCヘビー級王座よりも こちらのGHCナショナル王座の方が好きだったりします。

 

2019年11月2日は、赤いベルト

GHCナショナル王座が誕生した日でした。