全日本プロレス 8月29日の後楽園ホール大会で行われた「王道トーナメント決勝戦」。
同日に行われた準決勝で、宮原健斗を倒した諏訪魔と、ジェイク·リーを倒した芦野祥太郎の2人で雌雄を決する事になりました。
個人的には、この決勝戦は少々意外かも。
諏訪魔と宮原に関しては、どちらが勝ち上がるかは微妙でしたが、現在の全日本プロレスで最も勢いのある男。三冠王者でありチャンピオンカーニバル覇者のジェイクが、準決勝で脱落するのは完全な予想外でした。
芦野も全日本に参戦してからは、メキメキと存在感を増していたのでトップ陣に食い込んで来るのは時間の問題かと思っていたし、いつかこの位置まで上がって来る選手とは思っていました。
しかし それは今では無いと思っていただけに、ここは芦野の成長ぶりを称えるべきでしょうか。
しかも最後は、自らが全日本参戦に当たっての一つの目標に掲げていた諏訪魔の必殺技ラストライドで、ジェイクを打ち倒し見事な勝利で、決勝進出を決めたのですから、この勝利を金星と言ってしまうには、芦野に失礼な話かも知れません。
しかし決勝戦は芦野も意地を見せた物のキャリアに勝る諏訪魔が、地力の違いを見せつけ、バックドロップホールドで芦野の執念を断ち切り、21分57秒の激闘に終止符を打ちました。
諏訪魔 4年振り3度目の優勝。
それにしても この結果を観ると諏訪魔の戦績は凄いですね。
まだ歴史が浅く たった8回しか行なわれていない王道トーナメントを3度も優勝して、37.5%の優勝率を誇っているのだから、これは歴代断トツです。
ファイナリストにまで上がって来た確立となると50%。
全日本プロレスの若きエースと言えば宮原で間違いないでしょうが、やはりまだまだ全日本の顔と言えば、諏訪魔と言う事なんでしょうか?
最高を自称する宮原としては、まだまだ諏訪魔は、本当の意味で越え無ければならない高い壁と言う事でしょうね。
勿論 今回敗れた芦野にしても諏訪魔には、まだ一度も勝てていないので全日本に参戦した以上は、いずれ諏訪魔を倒さなければなりませんが、生半可な事では無さそうです。
今回の40代半ばの諏訪魔の優勝は、下の世代の突き上げを喰らっている同世代の棚橋弘至や丸藤正道と言った 他団体の選手の発奮材料ともなるでしょう。
そして団体内に話を戻すと、今回の優勝で諏訪魔の三冠挑戦は決定的。
王者ジェイクは、せっかく引き寄せつつあった自分の時代を ここで明け渡す訳にはいかないので、準決勝敗退の屈辱を晴らすべく それこそ死に物狂いで王座を守りに来るでしょう。
諏訪魔との三冠戦は、激しい闘いになるのは必至。
惜しくも諏訪魔越えの成らなかった芦野も準決勝で、王者を撃破しているのですから挑戦資格は充分だし、ジェイクとて芦野の存在は無視出来ないでしょうから、今後の三冠戦は混沌として来そうです。