デスペラードにみるカリスマ性

8月17日 新日本プロレス後楽園ホール大会で行われた、スーパーJr.タッグリーグ最終戦は、激闘の末にエル·デスペラード&金丸義信の優勝で、幕を閉じました。

決勝戦が無かった事や ローブローからの丸め込み決着だった事に、不満を感じた人も居たかも知れませんが、これはこれでコンパクトにまとまっていたし、金丸らしい終わり方で良かったと思います。

 

そして今大会で優勝した事で、当然IWGPJr.タッグ奪回のチャンスを手にする事になるデスペラードですが、ここで現在の新日Jr.について苦言を呈します。

 

まず石森太二&エル·ファンタズモ組との王座戦が組まれれば、今年だけで実に3度目となる同カードでの王座戦。

これだといつまでも変わらない。俺が何を見ているのかって、ジュニア全体の新しい景色。はっきり言って今のままじゃ頭打ちだよ」と口にしたように、現在の新日Jr.のマンネリ化を危惧しています。

勿論デスペラードとてJr.タッグ王座は欲しいでしょうが、固定メンバーばかりでタイトル戦が行われる事は、試合の質は上がるかも知れませんが、全体を見渡した時に、余り良い事とは言えません。

 

デスペラードが望んでいるのは、一部のレベルアップではなく新日Jr.全体の底上げ。

悪態をつく事の多いデスペラードでもその発言には、常に一貫性があり 利にかなった言動は、新日Jr.を考えての事だと思われます。

 

更にタッグリーグ戦中に、事実上の解散となった3Kの事も歓迎すべき事件として捉えているようです。

と言うのも輝かしい実績を持つ3Kですが、いまいち突き抜けれなかった二人だけに、3Kを解散して新たな波にのる事で、少なくともマンネリ化は防げるし、新たなパートナーを見つける事で、もしかしたら覚醒に繋がる可能性もあるからです。

 

更にはマスター·ワトにも言及。

その身体能力は、誰もが認める所で、華麗な空中技や蹴り技を使いこなしながらも凱旋時に比べたら 存在感が薄れつつ有るのも事実なので、そんなワトも含めてSHOとYOHに対して

『頑張れ』じゃなくて『お前らつまんないから早く面白くなれ』と。自分がさんざん時間がかかったのは棚に上げるけど」と自虐を交えながらも厳しい一言。

これに関しては、長年燻っていた自分と被るからこそ 彼等の事が誰よりも歯がゆく見えるのかも知れませんね。

 

デスペラードのならず者キャラ的に、自分の事だけを考えていそうなイメージですが、新日Jr.の事を考えて プロレス全体の事を考え 広い視野で全体を見渡している事が、その言動から伝わって来ます。

ライガーの引退した今 新日Jr.を牽引するのは現時点では、間違いなく高橋ヒロムでしょう。

しかしヒロムを太陽とするなら デスペラードは月で、太陽に負けないだけの輝きを今のデスペラードは、存在感 実力ともに持ち合わせていると思います。

 

そしてカリスマ性だけで言うなら ヒロムをも凌駕しているかも知れません。

それ程 今のデスペラードの発言には、重みや説得力が備わっています。

 

「お前らが変化しないと、いつまで経っても同じ絵しか見えねえぞ」

 

最後に、デスペラードが周囲に向けて放った言葉には、現在の新日Jr.に対する危機感がハッキリと見てとれます。

さし当たっての目標は、IWGPJr.ヘビー級の奪回でしょうが、新日Jr.の底上げをする為に、ヒールと言う立場ではありますが、デスペラードがヒロムと供に反目しながらも、先頭に立って新日Jr.を牽引していけば、新日Jr.に新しい景色が広がる。

そんな気がします。