佐々木健介と言えば、鍛え上げた肉体のみで闘うパワーファイトを身上とする典型的なレスラー。
それが、ペイントを施してパワーウォリアーとなった場合なら 尚更の事だと思います。
そのパワーが、一度だけポリシーに反した攻撃をした事があります。
2000年に健介が、IWGPヘビー級王者となった時に、唐突にパワーウォリアーとして防衛戦が行われグレート・ムタ戦が組まれました。
ムタが王者の時は、武藤として防衛戦をするのは認められなかったのに、健介はOKなのが納得いかなかった記憶があります。
試合はいつもの様に、ムタの反則を折り込んだインサイドワークとパワー・ウォリアーのパワーファイトの闘いになるんですが、試合終盤にパワーが場外に落ちて うずくまったまま暫く動かない状況が、続きます。
リングインしてから 少しの攻防を繰り返すのですが、パワーの表情が何か不自然。
いつもの様に、両手を大きく広げて見栄を切るパフォーマンスもいつもなら「ウヴァーッ」て叫ぶのに、この日は何故か口を思い切り閉じたままで。叫びません。
何か不自然
そして試合最大の見せ場が、訪れます。
パワーのラリアットをムタが、前転でかわすと毒霧噴射!
しかしこれを両腕をクロスしてガードすると
まさかの掟破りの毒霧!
衝撃でした。
正直パワーが毒霧を使った展開自体は、不自然な位に思いっきり口を閉じてたので、バレバレだったから それ程の驚きはないんですけど あのパワーが毒霧みたいな反則技を使うなんて・・・
かつてムタに「毒霧が無いと何も出来ないのか!」とか叫んでた男とは、思えません。
単なる煽り文句だとは思いますが、本気でムタ(武藤)が、毒霧が無いと何も出来ないと思ってるなら ある意味すごいけど。
とにかく いくらキャラクター対決とは言え
パワーには、毒霧なんか使って欲しくなかったです。
恐らく場外で動かなかった時に、仕込んだと思われますが、慣れてないのか やっぱりパワーは下手でしたね(笑)
あそこまでバレバレなのは、駄目ですよ
それを考えると「やっぱりムタは凄いんだな・・」とつくづく思います。
ヒールは、巧くないと出来ないって事ですね。
結局 毒霧を受けたムタが、棒立ちになった所に、強烈なラリアットを叩き込みパワーが、王座防衛に成功します。
ペイントをしたグレート・ムタも
パワー・ウォリアーに、変身したのも最後となった試合でした。