プロレスには試合と同様に、ストーリーという物も大事になってくる訳ですが、そのストーリーラインを語る上で欠かせないのが”裏切り“
9月24日 新日本プロレスの神戸大会で誰もが予想し得なかったであろう ある”裏切り”が勃発してしまいました
この日は、タイチが挑戦者SHOを迎える形で、KOPW争奪戦が行われたのですが、タイトルマッチなので個人闘争の側面をもつ一方で、現在進行形の軍団抗争 タイチのJust 5 Guys(J5G)と SHOのハウスオブトーチャー(HOT)の闘いでもあります。
しかし両軍入り乱れて乱戦になる事も予想されたこの一戦のルールは
「時間無制限セコンド手錠拘束マッチ」
両軍セコンドのEVILとSANADA、高橋裕二郎とDOUKI、ディック東郷とTAKAみちのくが、それぞれ手錠で拘束された状態から試合が始まるというもの。
これは、珍しいルールでなかなか面白い形式ではあると思いますが、HOTはそんな事お構い無しに、裕ニ郎がケインを投げ入れ、EVILがパウダー攻撃など…可能な限りの反則攻撃で、SHOをアシストしていきます。
そしてSHOが、遂にトーチャーツールを手にした所で、左膝負傷の為にシリーズを欠場していた筈の金丸義信が登場。
これはHOTの反則三昧の前に、ピンチに陥っているタイチの援軍に金丸が現れたのだと誰もが思っていました。
しかしトーチャーツールを奪い取った金丸は、ウイスキーを口に含むとSHOにではなく、何とタイチにウイスキーミスト一閃!
そして着用していたTシャツを破ると、何とその下にはHOTのTシャツを着用していました…。
一瞬どうなっているのか分かりませんでしたが、金丸の姿を見れば一目瞭然。
金丸がまさかの裏切り
タイチにとっては、KOPWの懸かった大事なこの試合で、HOTに寝返った金丸は必殺のタッチアウトで追い討ちをかけると、すかさずSHOがショックアローを炸裂させて3カウント!
この瞬間SHOが新王者に輝きました。
SHOがタイチを倒した
SHOがKOPWを獲得した
それらも大きな事かも知れませんが、それ以上にあの金丸が造反したという事が、かなりの驚きです。
過去の実績はともかく ヒールに転向してからの金丸は、その実力は誰もが認める一流選手でありながらも、自分が主役になったり前に出ようとしたり、決して目立つ位置にいる選手では有りませんでした。
現にこれまで属していた軍団でも 個人的に裏切り行為に出る事もなく 金丸は、常にユニットの為に動いてきた男でした。
その金丸が普通のユニット離脱ではなく”裏切り”という行為に出たのは、なかなかに衝撃的な出来事。
これには流石のタイチもSANADAもショックを隠せない様子でしたが、ユニットの戦力低下も然ることながら、メンバーが5人から4人になった事で、ユニット名も「Just 5 Guys」から「Just 4 Guys」に改名を余儀なくされてしまいました。
人数がそのままユニット名に付いてると、こういう事態になった場合に、名前問題に直結するのが痛い所ですね。
しかも元々4人で発足したこのチームは
「Just 4 Guys」でスタート
その後SANADAが加入した事により
「Just 5 Guys」に改名
そして金丸が離脱した事で再び
「Just 4 Guys」に再改名
と、なかなか面倒臭い事になっちゃってます。
まぁ名前問題はさておき、金丸義信が抜けたのは、ユニットとして痛手なのは言うまでもなく これからのJust 5 Guys改め Just 4 Guysは、本当に厳しい闘いを迎える事になります。
とりわけランバージャックマッチとして行われるSANADA対EVILのIWGP世界ヘビー級選手権は、数的不利な状況の中で行われるので、早くもJust 4 Guysは試練の時となってしまいます。
それにしても新日本に移籍してきてからの金丸は、これと言った大きな話題になる事もなくメインストーリーに乗る事も無かったのに「裏切りからの離脱」で、ここまで大きな衝撃を与えれるというのは、やはり金丸というレスラーの持つ影響力の強さと、側にいる時の安心感が有るからなのでしょう。
そこは流石 かつてあの秋山準が、全幅の信頼を寄せていた選手ですね。
金丸義信のキャリアに置いて 最大級の事件ともいうべき今回の裏切りは、Just 4 GuysとHOTの軍団抗争に、まだまだ大きすぎる影響を与えそうな予感です。