いつの時代も デビューしてばかりの若手レスラーの自力初勝利という物は未来に期待が持てるし、格上の先輩レスラーからの金星には驚かされます。
プロレスは、そんな若手達の成長ストーリーが、時代を紡いできた訳で、それが有るからこそ見ている側もプロレス界の未来に希望が持てるのです。
そして今 全日本プロレスで、とんでもない大金星が生まれました。
今年10月にデビューしたばかりの、大型ルーキー・安齊勇馬
安齊はキャリア僅か2ヶ月にも関わらず 暮れの祭典「世界最強タッグ決定リーグ戦」に出場したというだけでも異例な事なのに、パートナーは新日本の永田裕志。 若手が他団体のベテラン選手とタッグを組んでリーグ戦に出るというのもこれまた異例な事。
この一介の若手とは思えない扱いは、全日本の安齊に対する期待の表れでしょう。
しかし試合になると 並み居る先輩レスラーの牙城を崩す事は容易では無く、星取り的には伸び悩んでいました。 まぁこれはしょうがないでしょう。
幾ら大型ルーキーとは言っても 所詮はルーキー
キャリアが物を言うプロレスで、直ぐに結果を出すと言うのはなかなか出来る事ではありませんから。
ですが最強タッグ最終戦で、ドラマが待っていました。
この日の対戦相手は、極悪ユニット「ブードゥー・マーダーズ」の諏訪魔&KONO。
今の安齊とは比べ物にならない位の実績と実力を持つチームです。
永田&安齊は、ここまで2勝4敗と負け越しも確定しており、勝利は全て永田が・・・負けは安齊が・・・という具合でルーキーの安齊には、まだまだ荷が重い相手。
しかし何とか爪痕を残そうと 安齊は最後に意地を見せました。
途中でVMの猛攻で大ピンチに陥るも、永田のアシストや鼓舞もあり息を吹き返すとKONOのイス攻撃を誤爆させてから、強烈なジャーマンスープレックスで何と諏訪魔から勝利をもぎ取ってしまいました!
たかだか キャリア2ヵ月の若手が、元・三冠王者、チャンピオンカーニバル優勝の経験を持つ諏訪魔から フォールを奪うなど誰が予想できたでしょうか?
たった1勝ですが、安齊にとってはとてつもなく大きい1勝です。
この勝利は、安齊にとっても大きな財産となるでしょう。
”歴史は繰り返す”
良く言われますが、今回負けた諏訪魔も2005年には、デビューから1年にも満たないというのにチャンピオンカーニバルに抜擢され、何とあの武藤敬司から劇的な勝利を挙げています。
しかもその時の決め技は、今回の安齊と同じジャーマンスープレックス。
ここに何か運命めいた物も感じますが、その武藤をフォールしたのをキッカケに諏訪魔は、トップの階段を駆け上って行き、15年以上に渡って全日本のトップに位置する成長を遂げています。
これを考えると安齊も ここから一気にスターダムに成り上がって行く可能性は、充分にあります。
勿論この勝利には、パートナーを務めた永田のアシストや ベテランならではの試合をリードしてくれた永田の力も有ったのは言うまでも有りませんが、最終的には自らの技で諏訪魔をフォールしたのは事実なので、そこは誇って良いと思います。
ハッキリ言って諏訪魔は強いです
その諏訪魔に勝ったのだから、本当に大した物です。
安齊勇馬の将来が今から楽しみです。
彼は間違いなく未来の全日本をしょって立つ存在になります。
これは宮原健斗もウカウカしていられないでしょうね。 恐らく宮原と三冠を懸けて闘う日も近いのではないでしょうか?