9.3 ノアのエディオンアリーナ大阪第1競技場大会では、ノア最強を決めるN-1決勝戦が行われましたが、言うまでも無くN-1決勝戦はノアにとっても今後を占う重要な試合。
しかし決勝戦とは違う意味での注目の一戦が、この日行われました。
来年の1月22日の横浜アリーナ大会をラストマッチとする グレート・ムタが、大阪ラストマッチとして浪速の地に降臨。 しかも そのパートナーが、新日本プロレスの グレート-O-カーンと言うから驚きです。
今まで何の接点も無い2人だけに、これは驚きの合体でした。
大会前にムタの代理人である武藤敬司が、オーカーンと接触をして互いの利害が一致した事で、正式に「魔界」と「帝国」が協定を結び「魔界帝国同盟」が結成された訳ですが、何とも厨二病をくすぐるネーミングは流石です。
非常に注目の集まっていた かなり癖の強い両者の合体でしたが、蓋を開けてみればまさかの結果に。
NOSAWA論外を交えてトリオを結成した3人は、GHCヘビー級王者・拳王に加えて征矢学、タダスケとの金剛と対戦。
先発を買って出たオーカーンは、本部席に置いてあったGHCヘビー級のベルトを奪うと何とそのまま放り投げるという全ノアファンをも敵に回す暴挙に出ます。 これには当然 王者の拳王は怒りますが、オーカーンはそれをあざ笑うかのように、拳王に絡まずにムタにタッチ。
行為自体は誉められた物ではありませんが、この精神的な駆け引きは流石・・・と言う所でしょうか。
ノアの中では、オーカーンは外敵なので どう立ち振る舞えば良いのかを熟知しているのでしょうが、とても駅で見ず知らずの少女を救った 話題のプロレスラー本人とは思えません(笑)
ムタと2人で、タダスケの首を絞め上げる同盟ならではの連携も見せるなど、独特の”間”やクセを持つ2人が相手だけに、金剛はなかなかペースを掴む事が出来ません。
試合終盤に、オーカーンに対して拳王が自身のレガースに火をつけてのキック「蹴炎」を狙った所が、金剛にとっては最大のチャンスでしたが、僅かな隙を見逃さなかったムタが飛びこんで来て、逆に拳王に火炎攻撃!!
さらに選手権のあったタダスケに、閃光魔術弾を喰らわせると 最後はオーカーンがエリミネーターでタダスケを叩きつけて完全な3カウント。
同盟の初陣は、完全勝利に終わりました。
新日本との対抗戦ではロスインゴに敗れ、CFではDDTにも敗れた金剛は、またもや敗れる形になり悔しい結果となってしまいましたが、今回ばかりは相手が悪かったでしょう。
ムタとオーカーンは、元々実力者の2人なのに加えて あのアクの強さと独特の世界観
直線型の選手が中心だった 今回の金剛のチーム編成では、相性的にも悪かったかも知れませんね。
試合もひとまず勝利し魔界帝国同盟のが高らかに、勝利宣言をあげるのかと思いきや、リング下の拳王を挑発している最中のオーカーンに対して 何とムタが緑の毒霧を噴射!
これには訳も分からぬまま悶絶するオーカーン
一方のムタは「シーユー・スーン。メイビー・ユナイテッドステイツ、アンド・ヨコハマ? メイビー、ニュージャパン、トゥー」と含みを持った言葉を残し、早々に引き上げて行きました。
あれだけ注目を浴びていた魔界帝国同盟が、まさかの一夜限りの解散となってしまいました。
いや・・・もしかしたら「まさか」では無いのかも知れませんね。 何せあのムタなのですから、こうなる事は分かり切っていた事かも知れないです。
そうだとすると オーカーンは、まんまとムタに利用され捨てられた形になりますが・・・
屈辱のオーカーンはバックステージで、床を這いつくばりながら「苦しい…。もうヤダー。この余、帝国の支配者を裏切ったな。その脚折って、トドみたいに地べた這いずりまわして、愛犬がご主人様の顔をベロベロ、びちょびちょに舐める様に、余の靴を舐めさせて生き恥晒してやるんだ。殺してやるんだ!」と怒りも冷めやらぬ様子でした。
この裏切り劇が、今後の展開に果たしてどう影響するのか?
ユナイテッドエンパイアを巻き込んで、ムタとの抗争に突入しても面白そうですが、来年の1月でムタがラストを迎える事を考えると、もう時間的な余裕は無いから、この件はオーカーンが一方的に悔しい思いをして終わりになりそうです。
その代わりに、今回オーカーンが散々コケにした拳王との絡みは、何らかの形で実現するかも知れません。
ユナイテッドエンパイアvs金剛なんかが、実現したらこれまたワクワクなカードです。
せっかくムタとオーカーンのタッグ結成から生まれた この流れを点ではなく線にして繋いで行って欲しいですね。