清宮海斗がトンネルを抜けてN-1優勝!

ノア最強を決めるシングルリーグ戦「N-1 VICTORY2022」も連日激しい闘いが続きましたが、9.3エディオンアリーナ大阪第1競技場で、遂に優勝決定戦が行われました。

決勝戦まで駒を進めたのは、清宮海斗と鈴木秀樹

 

ノア参戦を果たしたからには、N-1制覇の大きな実績を残して これからもフリーとして生きて行く為に、ここで自身の存在感をより強烈な物にしたい鈴木。

ノアの未来と言われながらも、長い間スランプに苦しみ結果が出せない毎日が続く中で、悲願の武藤敬司を果たして その技や魂を継承をした以上は、来年に引退を控える武藤を最高の形で送り出す為にも、今回のN-1優勝は「ノアの未来」として最低条件と位置づける清宮。

 

お互いに、何としても負けられない一戦です。

 

清宮と鈴木は、なかなか珍しいマッチメイクですが、2019年には6人タッグマッチながらも激突しています。

その時の清宮はGHCヘビー級王者だったにも関わらず、初対決となる鈴木の強さに恐怖したと言います。 ノアに居ないタイプの選手だっただけに、キャリアの浅い清宮としては、面食らった部分もあったのかもしれません。

キャリアが物を言うプロレスの世界では、それはしょうがない事ですが、両者の絡みは以降ほとんど無いまま 3年の月日が流れました。

 

あれから清宮も多くの経験を積み 新たな武器を身に付けN-1決勝戦という最高の舞台で、再び鈴木と対決する事になりました。

この試合は、ノアの未来を守る闘いであると同時に、過去に恐怖した相手との清宮自身の過去との闘いでも有りました。 ここを乗り越えないと清宮は、ノアを支える柱として前に進む事は出来ないでしょう。

 

かくして運命のゴングがなります。

組み技や寝技の攻防が長時間に渡って続きますが、この展開では清宮にとっては分が悪いのは、誰の目にも明らかで序盤から苦しい時間が続きます。

清宮が活路を見出すとなったら やはり立体的な攻撃しかなく、跳躍力抜群のドロップキックを何発も効果的に使いながらペースを変えて行きます。

 

しかし キャリアと技術に勝る鈴木は、やはり強かった。

雪崩式ダブルアームスープレックスでKO寸前に追い込まれ、ロイヤルストレッチで絶体絶命の状況に陥るも ここは清宮も勝利への執念で、何とかロープに逃れ技を脱出すると、まるで武藤が乗り移ったかのようなカウンターのフランケンシュタイナーで反撃

そこから得意のタイガースープレックスを決めて、相手の頭を押さえつけての変型シャイニングウィザードを2連発で叩き込み、大逆転勝利!

 

33分23秒の激闘でした。

前身のグローバル・リーグ戦を含めると、2018年大会以来となる4年ぶり2度目の優勝で、清宮は見事に「過去の清算」を果たすと同時に、ノアの未来を掴む為の一歩を踏み出したのです。

これで清宮は、長く暗いトンネルから完全に抜け出したと思います。

 

今回の優勝の原動力となった一つとして 来年に引退をする武藤敬司への恩返しとして 清宮にはGHCヘビー級王者として去って行く武藤を見送りたいとの強い想いがありました

「再びベルトを獲るにはN-1制覇が最短ルート」との結論に至り、今大会に挑んだ訳ですが、これで拳王の持つGHCヘビー級王座への挑戦も決定的になったと言っても良いでしょう。

 

もちろん原動力は、武藤への想いだけではなく清宮自身のプロレスへの想いや ノアへの想いも大きかったと思いますが、ここで優勝を出来た事で、清宮は新たな一歩を踏み出して行く事でしょう。

 

まだまだ全ての目的は達成された訳でもなく ここからが清宮にとっては本当の勝負かも知れませんが、試合後にマイクを握った清宮は「大阪に集まってくれた皆さんの事を僕は、ノアは絶対に裏切りません。これからも俺のプロレスを見に来てください。時代をつくります!」と力強く宣言してみせました。

今 ノアの未来が、明るく照らされ始めました。