新日本プロレスのACE・棚橋弘至の2022年度のG1クライマックスは、残念ながらブロック突破を果たせずに、終わりを迎えてしまいましたが、奇しくも優勝決定戦があった8.18 日本武道館大会で、棚橋の新たな目標と 新たな闘いが始まる事になりました。
この日は、デビッド・フィンレーとのコンビで、カール・アンダーソン&ドク・ギャローズと対戦。
タッグマッチに関しては、一日の長が有るグッドブラザーズに、棚橋は大苦戦を強いられ、マジックキラーを喰らいそうになった場面で、試合には関係ない筈の矢野通が、因縁のあるギャローズに場外からペットボトルで水を噴射して これを妨害。
これに逆上したギャローズが、矢野を追い掛けてバックステージへ消えていった所で、孤立したアンダーソンに対して フィンレーがすかさずプリマノクタを叩き込み、棚橋がハイフライフローで圧殺し、NEVER王者のアンダーソンから直接3カウントを奪いました。
試合には関係の無い矢野のアシストもあったし、フィンレーの好アシストもありましたが、NEVER王者からの勝利は、大きな勝利。
これに気を良くした棚橋は
「アンダーソンが持ってるベルト、行こうか」
とNEVER王座挑戦を宣言。
自力での勝利ではありませんでしたが、こういうのは勢いも大事なんで、王者が最も悔しい思いをしているであろう、この瞬間こそ王座挑戦アピールの絶好のタイミング。
アンダーソンも「お前、このベルトに挑戦したいの? いつでもどこでもいいよ。俺は受けて立つ」と受諾した事で、両者の王座戦が決定的になったと言えるでしょう。
この流れは、棚橋も勢い任せだったのか、計算だったのかは分かりませんが、棚橋にとってはG1優勝を逃してしまった現状で、丁度次の目標が必要な所だったので、ここでのアンダーソン撃破はまたとないタイミングだったと思います。
本音を言えば この日は決勝戦のリングに立って欲しかったし、王座を狙うのならIWGP世界ヘビー級を狙って欲しかった・・・と言う部分は確かに有ります。
棚橋本人もそれは、当然思っていたでしょう。
しかしG1優勝を逃し、IWGP世界ヘビー級への挑戦も遠のいた今となっては、まずは実績作りこそが頂点返り咲きへの最短ルート。
こう言う言い方をしてしてしまいますと、NEVERが「IWGPへの足掛かり」みたいになって 王座にも王者にも失礼になってしまうかも知れませんが、棚橋もNEVERの価値を高める為に・・・それこそIWGPに近い位置まで持って行く為に、全霊を込めて王座の価値を高めてくれるでしょう。
と言うのも2021年に一度、棚橋は鷹木信悟を撃破してNEVER無差別王者に輝いています。
その時も「NEVERの価値を高める」と宣言していたのですが、2度目の防衛戦でジェイ・ホワイトに敗れ 王座を失い、期待されていた棚橋色のNEVERを作り出す事が出来ずに、終わってしまったという苦い過去があるので「今度こそは・・・」という想いは人一倍強い筈です。
2度目となる棚橋弘至のNEVER無差別級への出撃
世界を見て来たアンダーソンは、勿論強敵ですが、ここは棚橋の再浮上は当然として、NEVER発展の為にも今一度、棚橋の王座戴冠を期待してしまいます。