ビック・ジョン・テンタのアースクエイクドロップ

プロレスには物凄い数の必殺技と言う物が存在しますが、その中でも2~3発打ってようやくフォールを奪える物から、これさえ決まれば誰が相手でも確実にフォールを奪えると言う文字通りの必殺技も存在します。

その一つが、ビック・ジョン・テンタの使用していたアースクエイクドロップでしょう。

 

アースクエイクドロップとは至って単純な技で、倒れている相手の側で何度も大きくジャンプする事でわ、リング全体に地響きを起こしロープに走ってから、ジャンプして尻で相手の身体をプレスすると言う技。

 

早い話が単なるヒップドロップなんですが、これがまた強烈そのもの。

並みの選手が使った場合でもヒップドロップなんて、見るからにかなり強烈そうな技だと思いますが、素人にも充分に痛みが伝わり易い、ある意味プロレス的には優れた技だと思います。


それを170Kgの巨体で、あの技をやるのだから、これは相手としてもタマった物ではないでしょうね。

いくら鍛えているレスラーと言えども、胸板にあの体重のテンタが尻から落下してきたのでは、下手したらアバラも折れかねないし、呼吸も出来なくなるでしょう。

 

技に入る前のリングを揺らすパフォーマンスが、見た目の迫力をより一層増幅させています。

これは自分のキャラクターを存分に活かした良いパフォーマンスですが、自分の応援している選手が倒れていて、その周囲でテンタがリングを揺らし始まった時の絶望感たるや中々の物だと思います。

 

そもそも破壊力以前に、あの巨体で乗られては、フォールを返すだけでも一苦労なのに、そこにヒップドロップのダメージが加わるのだから、アースクエイクドロップが決まりさえすれば、正に一撃必殺。

あの超人ハルク・ホーガンからフォールを奪った事で、プロレス界にアースクエイクドロップの威力を知らしめています。

 

そんなテンタも膀胱癌の為に、2006年に42歳という若さで死去してしまい、本家アースクエイクドロップを見る事は2度と出来なくなってしまいました。

アースクエイクドロップは決してカッコいい技ではありませんでしたが、自身のキャラクターを良く理解して 単純ながらも破壊力と説得力に溢れた驚異の必殺技でした。