カズ・ハヤシのパワープラント

いまや実力派のベテラン選手として これまで数多くの戦歴を積み重ねてきたカズ・ハヤシですが、長いキャリアの中で最も負けられない大事な試合だったのが、2009年の丸藤正道戦だったと思います。

 

当時のカズは、全日本プロレスJr.の中心選手で、毎日レベルの高い闘いを繰り広げていました。

そんな全日本Jr.に激震が訪れます。

全日本とNOAHの交流がスタートしたのは良かったのですが、丸藤正道に全日本Jr.の至宝である世界ジュニアヘビー級王座を奪われてしまったのです。

 

当時の丸藤は、Jr.ヘビー級でありながら階級の枠を越えた選手で、GHCヘビー級獲得の実績を持ち、並みのJr.ヘビー級では歯が立たないのは明白で、それだけに一度 丸藤に奪われてしまった王座を一体誰が取り戻せるのか? ここに焦点が集まっていました。

 

土方隆司が王座を奪われ、近藤修司、NOSAWA論外が王座奪回に挑むも返り討ちにあい 全日本としては完全に後が無い状況に追い込まれた中でのカズ・ハヤシの王座挑戦。

注目のシングル初対決ではありましたが、そんな事よりも全日本Jr.を救う為に、カズとしては何が何で負けられない闘いで、カズ自身のキャリアの中でも最もプレッシャーのかかった一戦だったと思います。

 

丸藤はやはり強かった

Jr.ヘビー級の中では別格の強さを誇る丸藤の強さに、全日本Jrの象徴であるカズも大苦戦。 丸藤特有のトリッキーな動きに翻弄されながらも、お互いの得意技を繰り出す30分越えの大激戦。 それでも必殺のポールシフトだけは、何とか回避しつつ カズが最後の最後に見せたのは、初公開となる大技。

パワープラントでした。

 

相手の片腕を膝の裏越しにクラッチしつつ、垂直落下式で落とす変形のWA4

カズが元々得意としていたWA4を進化させた技ですが、受け身を封じた垂直落下式のWA4は強烈その物で、この一撃で激闘に終止符を打ち、見事に世界ジュニアヘビー級王座の奪回に成功しています。

NOAHのヘビー級ともガンガンやり合って来た丸藤から、完全なフォールを奪ったのだから、それだけでこの技の破壊力が凄まじいと言う証明になると思いますが、カズが勝つにはこの究極の大技を出す意外に無かったのでしょう。

 

この時の王座奪取が後のV17という大記録に繋がる訳ですが、その数々の防衛戦で殆どのフィニッシュとなったのが、この時に初公開されたパワープラントでした。

あの丸藤を倒した技と言う事で、インパクトも有ったし充分な箔付けになった事も大きかったでしょう。

今現在に至るまで、カズ・ハヤシ最強の大技として 価値を保ち続けています。

 

同系統の技は、2006年に公開している
リストクラッチWA4と言う物が有りましたが、あれは腕を股で挟む形なので
パワープラントとは、腕のロックが全く違います。

挟むのでなく 膝の裏を通して手首を掴んでいるので、更に安定感を増しており、技の完成度としてはパワープラントの方が、遥かに上となるでしょう。

 

似た様な技使わんでも・・・と思うかも知れませんが、似た技を使っているのではなく、リストクラッチWA4を更に進化させたと言う事でしょうね。

 

パワープラントと言う名称は、かつてカズも所属していたWCWのプロレスラー養成期間の名称。