蝶野正洋の代名詞STFには、複数の派生技が存在しますが、どれが一番威力のあるSTFなのかは、意見が分かれるかと思います。
個人的には、FTSが威力最強なんじゃないかなと思っています。
FTSとは滅多に出さない蝶野の隠し技で、2005年の1.4東京ドームで行われる長州力、天山広吉との三つ巴戦に向けて 2004年末に考案した変形の裏STF
STFとは蝶野の得意技ですが、裏STFに関しては馳浩が元祖。
しかし馳の裏STFは、足を差し込む方向が通常のSTFとは逆なのに対して、蝶野のFTSは通常のSTFの様に足を固めてから 相手ごと身体をひっくり返して仰向けになると同時に、片腕を巻き込む形でロックして完全に脱出不可能にする拷問技です。
STFをリバースすると言う発想は、馳が元祖なのは間違いなく、コンセプトこそ同じかもしれませんが、このFTSに関しては蝶野が元祖となります。
裏返しになるので、技名に関してもSTF→FTSと逆になっています。
三つ巴に先駆けて 試し切りとして初公開したのが、2004年12月の西村修戦。
技を仕掛けると同時に、余りの威力に西村は即タップしてしまい この技の威力を知らしめる結果となりました。
体の柔らかい事で、定評のある西村をもってしても技から逃れる事も、ロープに逃げる事すらも無理だった事で、蝶野はこの技に対して自信を深めたのでしょう。
年が明けた三つ巴戦では、長州を破った後の
天山との一騎討ちで、FTSで文句無しのギブアップ勝ち。
何と三つ巴戦をストレートで、制してしまったのです。
それ以降は、隠し技として大一番でのみ使用するに留まっていますが、一番の大舞台は勢いに乗る棚橋弘至&中邑真輔とのIWGPタッグ選手権で、中邑をFTSを下して王座奪回に成功した時でしょう。
後は2005年のG1クライマックスでは、中邑と決勝進出を懸けて闘い、ここでもFTSで勝利。
滅多に出さない技の割には、立て続けに中邑からギブアップを奪った事で、何となく中邑殺しのイメージはあります。
この技の使用頻度が少ないのは、威力だけが高い割には、相手は脱出不可能と言うのがプロレス的に、大きなネックになっていたのだと思います。
脱出不可能‥…
そう思っていたんですが、同年のG1クライマックス決勝戦で、蝶野は藤田和之と対峙した際に、FTSで勝負に出たのですが、藤田は何と力ずくで腕をのロックを外し、腹筋の力のみで起き上がり強引に、技から脱出した事があります。
FTSの脱出不可能の神話が崩れた瞬間でした。
まさか、こんな返し方があったとは・・・と一種の驚きがありました。
まぁ 藤田が特別なだけの様な気もしますが・・・