小橋建太の1990年代前半の必殺技と言えば、間違い無くムーンサルトプレスでした。
しかし その技を使う物の宿命として膝の負傷に泣かされるのは、鉄人と言われた小橋でも同様で、一試合に数発も打つ事もあった ムーンサルトプレスの使用頻度も少なくなっていく時期がありました。
体重も有る小橋だけにそれはしょうがない事ですが、ムーンサルトプレスの回数を減らしつつも 並行して使い始めた必殺技が、1993年に初公開したダイビングギロチンドロップ。
小橋は元々 四つん這いの相手へのギロチンドロップを多用していましたが、それをヘビー級の体格で、コーナー最上段からやってしまうんだから そのエグさは中々の物がありました。
喰らった相手は、小橋の体重を乗せられたまま顔面をマットに叩きつけられる事も有り、決まりさえすれば誰が相手でもフォールを奪えるんじゃないかと言う位に、かなりの説得力のある技だったと思います。
それだけの説得力があったのに何故か これをフィニッシュにする事は余り無く この時の小橋は、最後はムーンサルトプレスでフォールを取る事に拘っていた様に感じました。
ダイビングギロチンをもっとフィニッシュに多用していたら・・・
剛腕ラリアットがもっと早い時期に必殺技として昇華出来ていれば・・・
もしそうなっていたら小橋の膝は、キャリア後半でも もう少しマシだったのに・・・と思うと複雑な気持ちでもあります。
しかしダイビングギロチンも必殺技としては多用こそされませんでしたが、1996年に小橋のキャリア上でも大事な試合となった、初めて三冠ヘビー級を奪取した時のフィニッシュが、ダイビングギロチンだった事を考えると、小橋の歴代の技の中でも特別な技である事は間違いないでしょうね。
正直言うと 当時はせっかくの三冠初奪取試合なのに「何でムーンサルトプレスじゃないんだよ!?」と思っていました。
説得力では、ダイビングギロチンですが、小橋と言えばムーンサルトプレス
それが当時の小橋建太のイメージだったし、ムーンサルトプレスで悲願の三冠奪取を果たす小橋の姿を観たいと言うのはあったからです。
しかし これ以降は剛腕ラリアットやバーニングハンマーが完成した事も有り ダイビングギロチンドロップがフィニッシュになる事は、ありませんでした。
これはこれで残念だったんですけどね。
勿論小橋のコンディションの問題も有るんでしょうが、NOAHになってからの小橋のダイビングギロチンも一度くらいは見たかったな・・・と言うのは今でも思います。