佐々木健介のトランプ

佐々木健介の打撃技と言えば、誰もが思い浮かべるのが師匠・長州力譲りのラリアットですが、極稀に見せる事のあった切り札的な打撃技がありました。

 

それがトランプと言う技

 

アメリカの元大統領の名前ではありません。

日本で良く知られているカードゲームの事でもありません。

トランプと言う言葉の本来の意味は”切り札”

つまり健介にとって切り札的な意味を持つ技だと言う事です。

 

切り札と言うからには、どんな技なのかと思いきや至ってシンプルで、相手に向かって、走りこみながらのエルボースマッシュです。

 

佐々木健介が、2006年4月のチャンピオン・カーニバルに向け開発した技で、吉江豊戦で初公開。

吉江の巨体を豪快にぶっ飛ばし 頑丈を絵に描いた様な吉江から、一発で3カウントを奪う破壊力を見せています。

 

切札と言うだけあって、そこまで頻繁に出した事は無く 健介のキャリアの中でも初公開を含めて 僅か3回しか繰り出した事はありません。

最後の一回となったトランプは、NOAH参戦後の森嶋猛とのGHCヘビー級選手権。

最後こそノーザンライトボムでの決着でしたが、2年振りに封印を解いたトランプが決定打となった事で、健介がGHCヘビー級を奪取して 日本マット界初となる、メジャータイトルグランドスラムを達成している。

 

この時のトランプに関しては、助走をつけずにショートレンジで見舞ったのですが、それでも一応は単なるエルボースマッシュではなく ”トランプ”扱いとなるんですね。

 

健介は使用を控えた技も結構多いんですが、トランプと言う技は、使用頻度もかなり低い事も有り 馴染みはかなり薄いと思います。

ただ健介のパワーと突進力から繰り出されるエルボースマッシュは、確かに強烈でしょう。

強烈だとは思いますが、正直な所を言うと”切り札”とは少々言い過ぎな気もします。

 

同じ打撃技のラリアットの方が、説得力に溢れているのでこればっかりは、しょうがないです。 普段から使いまくっているラリアットが、あの威力と説得力なのですから、エルボースマッシュを急に”切り札”と言われてもピンと来ないのは、しょうがない事です。

それならば諸事情で封印したとは言え、ボルケーノイラプションの方が、余程”切り札”っぽいいと思うんですけどね。

 

あくまで個人的感想ですが、何よりエルボースマッシュと言う技自体 健介には余り似合わない様な感じもします。

ファイトの幅を広げると言う意味では、全然アリだとは思いますがね。