藤波辰爾の逆さ押さえ込み

ヘビー級に転向してからの藤波辰爾と言えば、何を思い浮かべますか?

椎間板ヘルニアを患った事で、スープレックスの封印を余儀なくされ、代わりに必殺技として多用したのはドラゴンスリーパーでした。

 

しかしIWGPヘビー級選手権やトップ同士の試合となるとギブアップ決着と言うのは、なかなか無く 必然的に藤波が大一番を制した試合となると丸め込み決着の方が多かった印象です。

その丸め技の中でも最上位にあったのは、グランドコブラツイストでしたが、普段の試合やリーグ公式戦などの試合で、比較的多かったフィニッシュは、スモールパッケージと逆さ押さえ込みでしょうか。

 

逆さ押さえ込みは、地味な技ではありますが何気に好きな技の一つで、プロレスごっこでは必ず一回はやってました(笑)

藤波の逆さ押さえ込みは、時間切れ間近で焦って丸め技連発をするような場合を除き、基本的に自ら仕掛けていき これでフォールを奪いに行くといった技ではなく 相手の技を巧みに切り返したり、体勢を入れ換えたりと相手の力をいなして決める形が、多かったと思います。

 

これこそ藤波が尊敬してやまない師匠のアントニオ猪木の提唱する「風車の理論」を体現している技ですね。

 

ただ世間的には、どうも丸め込み技は地味だとか、セコいだとか余り歓迎されない時代も確かにありました。

格下が格上を倒す為の手段として、用いられることから そういう声が出るんでしょうか?

 

1994年のG1クライマックスで、藤波がパワーウォリアーの逆一本背負いを逆さ押さえ込みで切り返して勝利した際には、真っ向勝負で取った3カウントじゃない事に、一部批判の声が上がりましたが、全く意味が分かりませんでした。

 

何で丸め込みは駄目なのか?
別に反則じゃないしでしょ!?
3カウントを取れば勝ちのルールでしょ?

力対力だけが、プロレスじゃない筈です。
力対技でも良いじゃないですか。
逆に、技対技だって勿論良いですし
もっと技巧派のレスラーを認めてくれ!!
当時は、そんな事思ってました。

 

相手の不意をついての大逆転があるから
プロレスは、面白いのにね。