高橋裕二郎の東京ピンプス

プロレスラーには代名詞とも言える必殺技が、それぞれ存在します。

その中でも高橋裕次郎は、定期的に新必殺技を開発する傾向にあり、2010年の凱旋帰国後は何故か若手時代に得意としていたインカレスラムは余り使われなくなり、フィニッシュとして多用したのは、ムーンサルトプレスと東京ピンプスでした。

 

東京ピンプスとは、カナディアンバックブリーカーから、相手を前方に大きく旋回させて、シットダウン式でうつ伏せに顔面からマットに叩きつける荒技。

 

凱旋帰国後ヘビー級に転向してからは、NO LIMITとしてのタッグマッチが多くツープラトンで決めるのが主流でしたが、数少ないシングルマッチになるとJr.ヘビー級時代から使用していたムーンサルトプレスで試合を決める事もありました。

しかしハッキリ言って裕二郎のムーンサルトプレスは似合ってないし、お世辞にも綺麗なフォームと言う訳ではないし、正直な所 高橋がこの技をフィニッシュに選ぶ意味が、良く分かりませんでした。

 

それとは対照的に、裕次郎のもう一つの必殺技だった東京ピンプスは、レスリングで慣らした豪快な裕二郎には、ピッタリな荒々しい技でしたね。

それはそれで良い事なんですが、東京ピンプスと言うこのネーミングだけ、どうにかならなかったんでしょうか?

この当時の裕二郎の必殺技だった東京ピンプスですが、残念ながら大舞台で裕二郎が活躍した事自体が余り無いので、必然的に東京ピンプスの名場面と言う物が余り有りません。

敢えて言うならば、2014年のオカダ・カズチカvsAJスタイルズのIWGP選手権で、オカダと同じCHAOSの仲間で有る筈の裕二郎が乱入して来て 何とオカダに対して、まさかの東京ピンプスを見舞った場面でしょうか。

裕二郎はこの後 バレットクラブに加入してしまうのですが、この時の裏切りの東京ピンプスは、裕二郎本人の試合では無かったとは言え、なかなかのインパクトがありました。

 

その翌年からは、マイアミシャインやピンプジュースの開発で、東京ピンプスは使われなくなってしまうのですが、それらの技よりも「東京ピンプスの方が、説得力があるから復活させろ」との声も少なくはありませんでした。

もしかしたらフィニッシュの変更は、裕二郎のコンディションの問題も有ったのかも知れませんが、それは本人が明言している訳ではないので何とも言えません。

 

まぁそれと同時に裕二郎が、第一線から退いていき G1クライマックスからも落選する等 モチベーションの問題かコンディションの問題か、上の試合で裕二郎を見る機会も無くなり、すっかりジョバーに甘んじてしまい そんな期間が長く続くのですが・・・2020年頃に裕二郎に変化が現れます。

心境の変化か再びガムシャラに、上位陣に食らいついてく裕二郎の姿が見られるようになり、東京ピンプスの解禁に踏み切ったのは、懐かしさもあり少し嬉しかったですね。

やはり裕二郎は、凱旋直後の上位陣を食ってやると言うギラギラした頃の方が、カッコ良かったし、あの頃の裕二郎と言えば東京ピンプスなので、どうしても裕二郎に少し期待をしてしまいます。

 

現在は、他の新技も開発していますが、東京ピンプスを武器に、暴れまわっていたあの頃の様に、現在の新日本のトップ勢を脅かす存在になって欲しいですね。