新日本vsノア対抗戦に足りないのはリスク

新日本プロレスvsNOAHの対抗戦が発表され、全対戦カードも発表されて既にプロレスファンの間では大きな話題になっています。

その発表された対戦カードですが、観る人には様々な意見が有る事でしょう。

 

確かに面白そうなカードが幾つも並んでいます。

ですが、あくまで個人的な意見ですが、全対戦カードを客観的に観て足りないの双方のリスクでしょうか。

勿論観ているだけの人間の勝手な意見と言うのは、重々承知しています。

 

やっている方からすれば、極力リスクなんて物は背負いたくないでしょうが、観ている側からすればリスクがあるからこそ緊張感が生まれるし、応援にも力が入ると言うのは紛れもない事実。 リング上での”闘い”を観せている興業である以上は、刺激を求められるのもしょうはない話だと思います。

 

今回の対抗戦に、リスクが足りないと思うのは基本的にタッグマッチで構成されていると言う事。

タッグマッチが駄目と言う訳では無いですが、全11試合中9試合がタッグマッチですからやはりシングルとタッグでは、負けた時の意味合いも違うし、他人数での試合となると”負け役”になってしまう人が、どうしても存在しちゃうので「多分この選手が負ける」とかって言うのは、何となく分かると思います。

そう言う選手は失礼ながら、団体側からしても負けた時のダメージが余り無いんですよね(本当に失礼な話で申し訳ないです)。

そう言う点で、双方のリスクが少ないと思うし「誰が負けるか?誰が勝つのか!」が分かり難い方が、緊張感と言う側面では段違い。

 

かつて1995年に行なわれた伝説の対抗戦の新日本vsUインターでは、第一試合を除き全てがシングルだったので、あの時の緊張感が物凄かったのを覚えています。

あの時は、U系が相手と言う事でシングルが基本と言う事情もあったとは思いますが、全面対抗戦の一発目で、ほぼシングルマッチと言う部分はインパクトも物凄かったです。

 

今回の対抗戦では、誰が負けても団体には痛手であり 負け役が居ないタッグマッチとなるとオカダ&棚橋vs武藤&清宮の一戦な訳ですが、例えばオカダなんかは武藤&清宮とは正真証明の初対決なので、そこは先にタッグで当たっちゃうと若干鮮度が落ちると言うか・・・いずれシングルで当たった時のインパクトは弱まってしまいます。

あの時は、前哨戦なしで武藤と高田がいきなりシングルで激突したのも多大なインパクトを残した要因でも有ったと思います。

 

そしてリスクが少ないとする点で、もう一つ大事なのが全戦ノンタイトルだと言う事。

新日本vsUインターの時は、当初は武藤のIWGPヘビー級と 高田のプロレスリング世界ヘビー級の2本を懸けたダブルタイトルマッチと言う事で、物凄いインパクトを与えました。

結果的には武藤のIWGPのみが懸けられる形となりましたが、当時はIWGPの歴史で他団体流失も無かった時代なので、負けた時のリスクを考えたら物凄い事だったと思います。

ベルトこそ懸けていない物の”最強”を掲げているUインターの絶対的エースな高田にしても、敗戦した時のリスクを考えると、お互いによくもこんなハイリスクを背負ってまで、対抗戦を実現させたなと言うのが正直な感想です。

 

現実に初戦で敗れたUインターは、大きなイメージダウンに繋がり団体崩壊にまで繋がってしまいましたが、今回の対抗戦で本当に相手を潰すまでやれとは言いませんが、緊張感の走る闘いと言うのは、さすがに実現出来ないと思います。

あの時とは”時代が違う”と言われればそれまでですが、あの対抗戦を知っている人間からすれば、やはりあの時の緊張感の有る闘いを期待してしまいます。

 

とは言っても、今回の対抗戦にも期待が大きいです。

タイトルマッチが無いと言え、その時点で誰が王者かは分かりませんが、仮にIWGP王者かGHC王者がピンを取られる事になってしまったら、団体にとっては大ダメージなのは間違い有りませんからね。

そして試合内容と言う点では、心配する事も無いと思います。

 

どの試合も素晴らしい試合になるでしょう。

 

確かにリスクの有る試合の方が緊張感があって、観ていてハラハラするのは間違いないでしょうが、そこを差し引いても今回の新日本vsNOAHは、多くのプロレスファンが注目する一戦。

対抗戦が終わった時に、果たしてそこに何が残っているでしょうか?