飯伏幸太のイメージと言えば、その類いまれなる身体能力を活かした華麗な空中技の使い手…と言うのが一番に来ると思います。
勿論、それだけじゃなくて早く鋭い打撃を使うストライカー。 突拍子もないアイディアから産み出される奇抜な技の考案者など、色々な顔をもった選手ではありますが、やはり誰が見ても分かりやすいのは、芸術品とも言える空中技でしょう。
その代名詞とも言える技は、フェニックススプラッシュで、飯伏の最高の必殺技に位置していました。
しかし、そんな飯伏のファイトスタイルに、変化がみられたのは2017年。
新日本プロレスとDDTの2団体所属から離れ、一時フリーとなり 再び新日本に専念する為に、新日本のリングに舞い戻ってきた時です。
飯伏と同時期に新日本を退団した 中邑真輔を意識したかの様な、ボマィエに近い膝蹴りを繰り出す様になり、更には相手の両腕を掴んでガラ空きになった顔面に、膝を叩き込む技を使い出すようになりました。
当初はその容赦ない攻撃から、人でなしニーと呼ばれていましたが、この時期から飯伏のスタイルは、打撃技の比率が高くなってきた様に思います。
その後のG1公式戦で、この技で棚橋弘至から初のフォールを奪った事で、飯伏の新フィニッシュとして印象付けられる様になり、更には飯伏が ”神” と崇める棚橋を越えた技として”カミゴェ”と命令されるに至りました。
面白いのは飯伏が新日本に置いて、棚橋と同様に神と崇め 大きな影響を受けた選手こそが中邑で、その中邑の代名詞ボマイェの様に”カミゴェ”と ”ェ”が、小さくなっているのが、ポイントです。
まぁ だからと言って カッコいい技名では無いのですが(汗)
以前の飯伏の代名詞フェニックススプラッシュに比べると、”物足りない感”はあるのは事実ですが、説得力と言う点では決して負けていません。
2020年のG1では、開幕早々に負傷して本来の闘いが出来ない飯伏は、飛び技を極力控えて 打撃をメインに闘うスタイルを開眼しましたが、V2に導いたのがカミゴェの存在でした。
2021年のG1では、フェニックススプラッシュの自爆により 無念のTKO負けを喫していましたが、そういう面でもノーリスクで放てる必殺技と言うのは、かなりの利点ですね。
ただ・・・ストライカーとしての飯伏の面が強いのも事実ですが、どうしても飯伏のフェニックスプラッシュを観たいと言う人が、多いのも事実なんですよね。
派手さでは、どう足掻いてもフェニックスプラッシュには勝てる訳が無いし、これからカミゴェを大事に使っていきたい飯伏としては、中々難しい問題だと思います。
フェニックスプラッシュに比べると、余りに簡単に必殺技に入れるのが理由の一つかも知れませんが、カミゴェを必殺技にしてからの飯伏は、面白くないと思う人も居る様です。
面白くないとまでは言いませんが、自分もカミゴエの飯伏よりも、フェニックスプラッシュの飯伏の方が、確かに好きではありました。
でも・・・! そこいらの感じ方は人それぞれなので、飯伏には自分の追及したいスタイルをとことんまで、追求して欲しいですね。