11.4 新日本プロレスのエディオンアリーナ大阪大会では、素晴らしい激闘が展開され来年の東京ドームに向けての良い流れで幕を閉じるかと思いきや、 待っていたのは”ベルトが破壊“というなんとも後味の悪い結末でした。
メインイベントは、IWGP US(UK)ヘビー級選手権として行われたウィル・オスプレイvs海野翔太の一戦でしたが、試合結果から言えばオスプレイの勝利で王座防衛という順当な結果に。
しかし試合は物凄かったです。
オスプレイはいつもの様に非情な攻撃で海野を攻め立てるも 海野も一歩も引かずに応戦。 海野が倒れている所を両腕を押さえ込んで、上からエルボーを振り落とすシーンは戦慄でしたが、セコンドに現れたジョン・モクスリーに応え立ち上がる海野の姿は、熱かったです。
スイング式や雪崩式のデスライダーが決まった場面は、海野の勝利を予感しましたが、今や新日本のトップ外国人であるオスプレイは、やはり強かった。
これを凌いでストームブレイカーで、粘る海野を遂に仕留めました。
海野の成長は素晴らしく、こんな試合を見せられては何も言えません。 この試合だけで今大会は、神興行ともいえる程の大熱戦だったと思います。
ここから更に勝者のオスプレイは、リング下のモクスリーを東京ドームでの挑戦者に指名し、リングに呼び込みます。
オスプレイvsモクスリー?
初対決ではありませんが、実現すれば国内では”初”になるので、これはドーム大会に大きな期待を抱かせるには充分すぎる豪華カード!
場内がドームへの期待感に包まれている中で、突如として現れ 何とシレイリでオスプレイとモクスリーを襲撃したのは、デビット・フィンレー
ちょっ…このタイミングで何しにきたん!?
もはや嫌な予感しかしません。
ここにフィンレーが割り込んできて、まさか3wayになるんじゃないだろうな!?と嫌な予感を感じた人は多いと思います。
3wayじゃなくてオスプレイvsモクスリーが観たいんだよ!
頼むから帰ってくれ!
そんな思いを他所に、フィンレーは想像を遥かに越える暴挙に出ます。
何とリング上に無造作に落ちているUSヘビー級とUKヘビー級の2本のベルトを巨大ハンマーで滅多打ちに!
2本のベルトは見るも無惨に、ボッコボコになってしまいました。
これは明らかにやり過ぎ。
過去にはベルトを空に放り投げたり、鉄柱に投げつけたり、スプレーで塗りつぶしたりした人も居るには居ましたが、ここまで明確にベルトを破壊しに来た人は初めてじゃないでしょうか?
初代王者のケニー・オメガから始まり、現王者のオスプレイに至るまで、USヘビー級を巡る闘いは、IWGP世界へビーにも負けず劣らずの名勝負を連発してきた、いまや新日本の看板タイトル。
歴代王者の想いや過去の名勝負の歴史が全て詰まった このベルトを事もあろうかハンマーで滅多打ちとか…これは果たして許される行為なんでしょうか?
許されて良いはずはありません。
過去にベルトを粗末に扱った選手は個人的に応援している選手が多かったのですが、当時からそういう行為は好きになれませんでした。
うーん
オスプレイも怒り心頭ですが、これまで心血を注いできた王座なのだからこれは当然でしょう。
しかし、この乱入した者勝ちみたいなのは、本当にどうかと思います。
というかオスプレイvsモクスリーが、普通に観たかったんですけど!
壊されたベルトの行方ですが、壊した張本人は、USヘビーに代わる新たな王座を作れ!と要求しており、一部ではインターコンチネンタルの復活という噂もありますが、現時点では全くの未定。
新設王座になるにせよ、USヘビーを作り替えるにせよ、今回のやり方は素晴らしかったメインの余韻をも全て打ち消す後味の悪さを残してしまいました。
フィンレーからすれば、ヒールとしての役割を全うしたと言えるかも知れませんが、やはり歴代王者や挑戦者が紡いできた歴史を台無しにする行為は、やめて欲しいですね。
ベルトに対する最低限のリスペクトは、持っていてしかるべきだと思います。