新日本プロレスのベテラン選手の起用方法については、以前から問題視される事も多く キャリアを重ね40代後半にもなると、とにかくチャンスを滅多に与えない、試合数が少ないなど…
そのファンや選手本人からすれば不満点も多いでしょう。
そんな状況下で、自分達のコンディションの良さや人気に反比例するかのように、試合数が減少している事に対して真壁刀義やタイガーマスクらが
「俺たちみんな動ける。お客さんも沸いてくれる。何でそんなに試合を少なくされなきゃいけないんだよ」
と現状に異を唱えた事を受けて、9月9日後楽園ホール大会で、オカダ・カズチカ、棚橋弘至、石井智宏の保持するNEVER無差別級6人タッグ王座に、真壁、タイガーに天山広吉を加えたトリオでの王座挑戦が決定したばかり。
他団体でばかり活躍するのではなく、ホームリングでベテランにも均等にチャンスを与えてくれるのは嬉しい限りなんですが、この流れをシビアな目で見ている選手もいます。
それが、現NEVER無差別級6人タッグ王者であるオカダ・カズチカ。
「しょうがないですよね。別に人気があるとか知名度がどうとか、言ってられないじゃないですか。結果が出てるんであれば試合も減らないし。冗談じゃなく、じゃあ自腹で会場に来たら良いじゃんって。サイン会したりして、会社に認めてもらうというのも一つの手だと思うんです。ここまでファンの為にやってくれてるなら試合を組もうかなとなるかも知れない。自分で行動を起こせば良いじゃないですか」とバッサリ。
これまた賛否の多そうな発言ですね。
「結果が出てれば試合数は減らない」と言いますが、そもそも若い選手に比べてベテランには、結果を出すべき舞台が圧倒的に少ないんですけどね。
少ないというか、会社が与えないと言った方が、正しいでしょうか。
「それならば少ないチャンスを確実に物にすれば良いだけ」と言われるかも知れませんが、それを言えばオカダや内藤だってタイトル戦で連敗する時もあるのに、それでもチャンスは巡ってきますからね。
ベテランはその次のチャンスが、いつ回ってくるのかも分からないのが現状。
他団体に出向する事も多いベテラン勢ですが、他団体での闘いを見てみると
永田裕志は、3冠ヘビー
小島聡は、GHCヘビーとタッグに加えて王道トーナメント
タイガーは、世界ジュニア
この2年間で、他団体に闘いの場を求めた時には、これだけの結果を残しています。
これは新日本での出来事ではないかも知れませんが、充分すぎる実績の筈。
これだけの結果を残してても試合数が少なかったりするのだから、そりゃあ真壁もタイガーも文句の一つも言いたくなりますよ。
勿論オカダもベテラン勢を戦力外として 単に切り捨てた訳ではありません。 彼らのレスラーとしての実力やこれまでの実績を充分に認めた上で
「どれだけこの試合にかけているかじゃないですか。レギュラー外れたとはいえ、集中してれば1本ホームラン打てるかもしれない。それだけの事をやってきた先輩達だし。そういう意味では変なプライドは捨ててもらって、何とか爪痕を残したいという気持ちを見せてもらいたいですね」と辛辣な言葉の裏には、期待の表れともとれるコメントもしています。
タイトル戦も決まった今 あとは、ベテラン勢がオカダの言葉に奮起して どれだけの物を見せれるかですね。
王者組は確かに強いですが、挑戦者組も歴戦の猛者なので、その経験を活かしてオカダらに立ち向かって行って欲しいですね。 オカダもそれを狙っての辛辣な発言だったのかも知れません。
強くて巧い先輩達を引き出して その上で、それを完封して勝つ事は”現在”のど真ん中を走っているオカダの使命でもありますからね。
一見するとベテラン勢を突き放した様にみえるオカダの言葉の裏には、これまで新日本を支えてきてくれた先輩達への期待と感謝があるような気がします。
オカダの言葉が単なるベテラン勢に向けた批判になってしまうかどうかは、ベテラン勢の奮起にかかっているとも言えるでしょう。
かつて暗黒期を駆け抜けた天山、真壁、タイガーが、令和になった現在に再びスポットライトを浴びて光輝く姿を是非見てみたいです。