潮崎豪がN-1悲願の初優勝

9月3日の大阪大会で、激戦の続いていたN-1 VICTORYも遂にファイナルを迎え潮崎豪の初優勝で幕を閉じました。

 

決勝戦は拳王との一戦でしたが、この2人がリング上で相対すれば相変わらずの激しい闘い。

拳王は、その発言から何かと注目される事も多く、拳王の優勝を期待していた人も多かったと思います。

G1敗退をしてしまった清宮海斗に苦言を呈した手前、このN-1は何がなんでも獲りたい思いも拳王には強かったのでしょうが、今回は初優勝に向けての潮崎の意地の方が少し上回ったのかも知れません。

最後はノアの象徴技ともいえるエメラルドフロウジョンを決めてからムーンサルトプレスを炸裂させてのフィニッシュ。

潮崎豪N-1優勝!

 

潮崎は意外にもこれが、前身となるグローバルリーグから数えてもN-1初優勝なんですよね。 GHCは何度も獲っている潮崎だけに、これは少し意外な感じがします。

潮崎ですら「やっと」という所が、N-1を制覇する事の難しさを物語っていると思います。

 

そして意外といえばフィニッシュがムーンサルトプレスだった事もそうです。 確かにムーンサルトプレスは潮崎の必殺技の一つではありますが、タイトルマッチなどの大一番では、豪腕ラリアットやリミットブレイクでの決着が多く ムーンサルトプレスが大一番でフィニッシュになる事は余り無かったので、これをフィニッシュに持ってきた事には少しばかり驚きました。

 

その前に出したエメラルドフロウジョンもそう。

この技は、ノアの象徴・三沢光晴の技としてノアを象徴するかのような技ではありますが、潮崎はこれまでエメラルドフロウジョンを持ち技としては使用してきませんでした。

どうせ出すなら、ジェイク・リーに奪われたGHCをノアに奪回する時の切り札に使った方が、良かったような気もしますが、ここで敢えて使った事にも意味があるんでしょう。

 

若手時代からノアの未来として期待されながら、一度はノアを離れ出戻り ブーイングを受ける時期を乗り越えるも、タイトル戦はさておき リーグ戦ではずっと結果を残す事が出来なかった潮崎。

そうこうしている内に、いつしか潮崎も40代に突入し、清宮ら新世代の台頭もあり、気が付いてみれば

「ノアの未来=潮崎」

この図式は、当てはまらなくなっていました。

 

時の流れには逆らえない以上 これはしょうがない事ですが、レスラーである以上は主役でありたいという思いは当然の事だし、これまでも第一線で闘い続けてきた潮崎からすれば、そう思うのも至極当然の事だと思います。

あのエメラルドフロウジョンには、これからのノアを背負って立つという覚悟を感じました。

 

「清宮や拳王には、まだまだ時代は渡さない!」そんな強い決意を三沢光晴の技に込めて放ったのだと思います。

 

普段使わない割には、フォームの美しさが100点満点のエメラルドフロウジョンでした。

 

そしてN-1を優勝した事で、次は当然ジェイクの持つGHCヘビー級挑戦が視野に入って来る訳ですが、1月にノア参戦を果たして未だに1度しか負けていないジェイクを撃破して ここでGHC奪回となればN-1優勝と合わせて潮崎にとっては、とんでもなく美味しいシチュエーション。

今年のMVPも見えてくるでしょうね。

 

MVPの事を考えてプロレスをやっている訳ではないと思いますが、これまで何度もGHCを獲りながらもN-1だけは獲れなかった潮崎が、今年は遂にそれをモノにする事が出来たので、今こそ新たな潮崎時代を作る時

元々それだけの潜在能力を持っている選手なので、GHCを奪還する事が出来ればMVPも本当に夢ではないし、正真正銘のノアの顔となる事も夢ではない筈。

 

本当の意味で「アイアムノア」を叫ぶ時が来たのかも知れません。