7・25後楽園大会ホールで、満員の観客のもとで行われた新日本プロレス 真夏の祭典「G1クライマックス」
この日の目玉カードは、何と言ってもノアから単身乗り込んできた清宮海斗とIWGP世界ヘビー級王者SANADAの激突。
大会前から清宮は、注目されていた新日本との新世代対決には一切興味を示さず、リーグ戦に関しては現IWGP世界王者のSANADA。 そして決勝トーナメントで、当たるかもしれない因縁のオカダ・カズチカのみをターゲットとして 今回のG1に挑んでいました。
清宮の立場ならば それも当然だと思いますが、そんな中で迎えた待望のSANADA戦。
想像以上の激闘となりました。
結果だけで言えば清宮が、無念の敗戦
しかし清宮は、間違い無く爪痕を残したし、この試合を見た観客は「清宮勝つかも?」と思った人も多いでしょう。
実際に、武藤敬司ばりの足4の字固めをガッチリ極めたシーンは、もしかしたら「SANADAギブアップか?」と思わせたし、あれはかなり良い攻めでした。
海野翔太戦でも思いましたが、清宮は足4の字固めを実に効果的に有効に使っていますね。
武藤からギブアップを奪った技だけあって、本格的にこれをフィニッシュの一つにして全面に押し出しても良いんじゃないでしょうか?
これを耐えきったSANADAには、新日本の王者として何が何でもギブアップだけは出来ないという意地は、間違い無くあったでしょう。
ここを何とか凌いでからの試合終盤の攻防は凄まじいの一言で、変形タイガードライバーやタイガースープレックスも耐えきり、カウンターで喰らったフランケンシュタイナーには流石にヒヤリとしましたが、最後にはSANADAが一瞬の隙を突いてシャイニングウィザードを炸裂させて見事に勝利!
試合時間は、19分58秒
何と残り時間2秒での決着でした。
清宮からすれば、ここさえ返せば せめて時間切れ引き分けで済んだだけに残念な結果に終わってしまいましたが、清宮は強い。
間違いなく清宮は強かったです。
そして残り時間2秒で、勝利をもぎ取ったSANADAは、やはりこれは王者としての意地以外に無いでしょう。
「前王者のオカダが完勝した相手に負ける訳にはいかない」という思いも有ったかも知れませんが、それ以上に新日本の王者としての意地が爆発した結果だったのでしょう。
終盤で清宮に放ったタイガードライバーなんかは驚きだったし、効果的でしたね。 ノアの選手に対して挑発の意味も込めてエメラルドフロウジョンを放つ選手は多々居ますが、タイガードライバーを繰り出して来たのは意外性が有った事もあり、清宮に大きなダメージを与えた筈です。
そして武藤敬司を継承した清宮に、シャイニングウィザードで勝つと言うのも、同じく武藤の弟子だったSANADAならでは。
ここいらの心理戦も含めて 今回はキャリアに勝るSANADAが上回っていたと言う事でしょうね。
しかし仮にリターンマッチが組まれた時は、またSANADAが勝つとは言い切れません。
それだけ接戦で、SANADAにとっては本当にギリギリの勝利でした。
その辺はSANADAも自覚している様で、清宮の事を認めると共に、バックステージで悔しがっている場面もありましたが、この試合を制した事で今回のG1に関しては、SANADAのブロック突破はかなり近いづいてきたでしょう。
清宮もまだまだチャンスは有るので次戦からも期待です。
それにしてもこの試合は、現時点で今年のG1のベストバウスと言っても良い位の素晴らしい試合でした。
他団体の選手ながら「これぞG1!」という試合を展開してくれた事には、素直に称賛したいです。
このままSANADAが王者の意地を見せて、単独首位で突っ走るのかは分かりませんが、このAブロックはまだまだ目が離せませんね。
やっぱりG1は熱い!