IWGP USヘビー級王座が生まれた日

2017年7月2日は、IWGP USヘビー級王座が生まれた日です。

 

この当時の新日本プロレスには、Jr.ヘビー級の王座は別としても IWGPヘビー級に加えてIWGPインターコンチネンタル、NEVER無差別級と3つのシングルタイトルが有りました。

タイトルの乱立だのなんだの、色々言われてはいましたが、それでもそれぞれ住み分けをして巧く3つの王座を回していた感じでしたが、ここに来て新日本は、まさかの新設王座を発表。

IWGP USヘビー級王座

 

この新設王座は、とにかく賛否がありました。

「新たな王座が増えれば中堅以下の選手の底上げになる」

「王座が増えるという事は、タイトルマッチを見る機会が増える」

「既に3つもあるのに、これ以上王座を増やしてどうするんだ?」

 

こんな意見が多くありましたが、どの意見も真っ当な物だと思います。でも一番に気になったのは、この新王座の存在意義。

既存のタイトルで、最初に作られた王座はIWGPヘビー級ですが、元々のコンセプトは「乱立するベルトを一本にして真の世界一を決める」だっただけに、新日本が自ら 次から次とベルトを増やす事にも疑問が持たれていたし、そもそもIWGPとは、インターナショナルレスリンググランプリの意なので、この時点で既にインターコンチネンタルとも被ってるんですよね。

そこにきてUSヘビーとなれば、どんだけ似たような王座を作るんだい?って話になる訳で・・

 

まぁIWGPやインターコンチネンタルは「国際的」や「大陸間」の意味を持つ二つのベルトでしたが、諸事情により普通の国内タイトルになってしまった感があったので、海外進出が増えていた新日本が海外戦略の為に新たに作ったのが、このUSヘビー級王座という訳で、ある程度の理解は出来るし期待もしていましたが

「ベルト多過ぎ」

これに尽きますかね。

 

そんな賛否両論が渦巻くなか初代王者を決める闘いは、8人によるトーナメントで2017年7月2日に、その決勝戦が行われました。

勝ち進んだのは、ケニー・オメガと石井智宏。

USヘビー級(ユナイテッドステーツ)と銘打ちながら、日本人とカナダ人で初代王者を決めるのは、不思議な感じでしたが、これからアメリカで防衛戦を行うタイトルという事で、これも良し。

 

試合自体は文句の付けようのない素晴らしい試合でした。 結果として勝ったのはバレットクラブの新リーダーとして飛ぶ鳥を落とす勢いだったオメガで、初代王者となる事で、結果的にオメガ=USヘビー級のイメージも植え付ける事に成功しています。

思えば新日本的には、AJスタイルズ離脱後の後釜でもあるオメガの格上げは急務で、ライバルとして実績的にもオカダと肩を並べさせる必要がありました。

前年にはG1クライマックスも制していますが、もう一つの駄目押しとしてベルトを獲らせたかったのかも知れませんね。

IWGPヘビー級は、まだオカダ路線でいきたかったのと 海外戦略の為の要としてUSヘビー級の新設に当たり、オメガが初代王者になる事は、必然であり、新日本の思い描いていた絵だったのだと思います。

 

IWGP USヘビー級王座は、ある意味ケニー・オメガの為に作られたベルトだったのかも知れませんね。

 

2017年7月2日は、IWGP USヘビー級王座が生まれた日でした。