プロレス技にも色々ありますが、そのネーミングも様々で、何ともゆる~い物から物騒なものまで様々
その物騒な技名の代表格といえば、パトリオットミサイルでしょうか。
「パトリオットミサイル」と言えば一般的には発射されたミサイルを迎撃する為の「地対空ミサイル」として知られており、防衛目的とはいえアメリカ陸軍向けに開発された兵器。
兵器と同じとは、何とも物騒な技名ですが、何てことはない技の実態は、普通のダイビングショルダーアタックです。
使い手は、1990年代の全日本プロレスにレギュラー参戦していたパトリオット。
単なるダイビングショルダーアタックに、パトリオットミサイルとは少々 仰々しいネーミングですが、パトリオットはこれをフィニッシュホールドとして大事に使用していました。
強敵相手には、フルネルソンバスターやパワーボムをフィニッシュにする事が多かったですが、普段の試合ではパトリオットミサイルも充分に必殺技として機能しており、パトリオットのイメージに最も良くあう技だったと思います。
パトリオットは1992年に、全日本マットに登場して翌年には、チャンピオンカーニバル(CC)にも出場しているのですが、初参戦から間もないだけあって まだパトリオットにはこれと言った実績も無い中でのCC出場。
その公式戦で実現したのが、デイビーボーイ・スミスJr.との対戦でしたが、この時点では日本での実績や格は、スミスが圧倒的に上だったので、誰もがスミスの勝利を予想していたと思います。
しかし実際には、何とパトリオットの勝利。
これは、なかなか意外な結果で、パトリオットの全日本に置ける「中堅クラスの上位陣」という微妙なポジションは、この時に固まった様な気がします。
そして そのスミス戦でのフィニッシュとなった技が、パトリオットミサイル。
それを考えるとパトリオットの日本でのキャリアを決定付けた大事な技であるとも言えますね。
スミスが格下だと思われていたパトリオットに敗れた当時は「何でダイビングショルダーなんかで負けるんだよ!」と思ってしまいましたが、今になって思うと誰もフィニッシュに選ばないダイビングショルダーを敢えてフィニッシュにする辺りは、なかなか良い選択だったと思います。
最上級の技ではないにせよ、同系の技の他の使い手と比べてもパトリットミサイルは、迫力も充分にあったし、星条旗をあしらったデザインのマスクを被り「愛国者仮面、星条旗仮面」というキャラクターのパトリオットにとっては、パトリオットミサイルと言う技はイメージにもピッタリでしたしね!
ただ気になるのは、元々の兵器のパトリオットミサイルは飛んできたミサイルを迎撃する対空ミサイルなのに対して、プロレスのパトリオットミサイルは自ら相手目掛けて飛んでいく対地ミサイルの様なので全く用途が逆なんですよね。
まぁ あくまでイメージと言う事で、細かい事は気にしちゃあ負けと言う事でしょうか。
なんにせよパトリオットミサイルは、大好きな技でした。