全日本プロレスの最強を決める春の祭典「チャンピオンカーニバル(CC)」を制覇したのは、大方の予想を裏切って芦野祥太郎でした。
この芦野の躍進には、全日本の未来を期待せずにはいられませんでしたが、大きい選手だらけのCCを戦い抜き優勝を果たした代償は、大きい物でした。
左尺骨骨折
CC決勝戦の最中で、芦野は大きなダメージを負っており、その左腕にはギプスが巻かれ痛々しいものでした。
CC優勝者である芦野には、5月29日に後楽園ホール大会で永田裕志の持つ三冠ヘビー級王座への挑戦権が与えらていましたが、それに間に合う程 芦野の左腕の怪我は軽い物はありませんでした。
CC優勝と三冠奪回に懸けていた芦野は、当初は「片腕でも闘う」つもりだった様ですが、流石に三冠王者・永田にそんな状態で勝てる程 甘くないという事は、芦野とて百も承知
今回は無念の欠場となりました。
負傷自体は、名誉の負傷には違いありませんが、芦野にとって痛かったのは怪我そのものよりも、やはり三冠挑戦を辞退してしまった事。
せっかくCCを優勝して勢いのある今だからこそ、王座奪回の機運も高まっているので、ここで欠場という形で流れを止めてしまう事は、さぞかし無念だったと思います。
しかし こればかりはしょうがない。
ここで無理をして三冠戦に挑んでも、負傷の度合いが、更に悪化しかねないので、ここは慌てず治療に専念してもらい万全の状態で挑むのが、芦野自身の為でもあるし、王座の権威を守る為でもありますから。
芦野に関しては、怪我が治り次第改めて王座挑戦となると思いますが、あとは既に決定している5・29後楽園大会で、誰が芦野の代わりに王座に挑戦するのか?という問題が残ります。
芦野本人は「CC公式戦の中で所属選手で自分に勝っているのは安齊勇馬だけ」という事で、安齋を推薦しています。
いくら優勝者の芦野に勝っているとはいえ、流石に安齋ではここまでの実績が少なすぎるし、僅かキャリア10ヵ月での三冠挑戦はなかなか難しいでしょう。
一方の王者・永田が挑戦者として指名したのは、CC準優勝のT-Hawk。
優勝者の芦野がダメなら、準優勝のT-Hawk・・・となるのは自然の流れだし、永田はT-Hawkが準優勝するとは思わなかったと言いつつも、その実力は認めているようだし、後楽園での挑戦者はT-Hawkで決まりだと思います。
本来の挑戦者だった芦野の推薦を受けた安齋には悪いですが、安齋はこれから幾らでもチャンスは巡ってくるだろうし、すぐに王座戦まで行かなくとも、今はまだ力を蓄える時期。
将来の三冠王者になる可能性は高い安齋なのだから、ここで焦る必要は無いでしょう。
永田裕志vsT-Hawkで三冠戦を行い、その勝者に芦野祥太郎が挑戦する。
これが現時点では一番自然な流れじゃないでしょうか。