石森太二の負傷に改めてみたプロレスの恐ろしさ

新日本プロレスでは、現在Jr.ヘビー級の祭典「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」が行なわれ連日熱戦が展開されていますが、この手のリーグ戦には、波乱というものは何かと付き物。

今年もレベルの高い闘いが繰り広げられていますが、やはりリーグ戦も終盤に差し掛かったところで大きな波乱が待ち受けていました。

 

ヒロムにとっては前人未到の4連覇がかかった大会であり、石森にとっては唯一獲った事の無いタイトルが、このスーパーJr.の栄冠なのだから、この試合は双方にとっても絶対に落とせない試合で有る事は誰の目にも明らか。

共に5勝2敗で迎えたこの優勝候補同士の一戦は、天王山ともいえる大事な一戦なので、試合内容は勿論の事、その試合結果には、大きな注目が集まっていました。

 

案の定ゴングが鳴れば、新日Jr.トップクラスの激突はやはりハイレベルな物で、一進一退の攻防が続く中 アクシデントは突如として訪れます。

ラリアットの打ち合いの中 しきりに右肩を気にしていた石森の突然のレフリーストップ敗け。

 

恐らくこの時会場に居たお客さんも何が起こったのかは、殆どの人が分からなかったと思います。

動画で見てみるとラリアットの打ち合い直前に、石森が仕掛けたリバースフランケンシュタイナーで回転する際に右肩からマットに激突している様に見えたので、恐らくその時でしょうか。

 

最高峰の闘いに降りかかったアクシデント。

2年前のG1決勝戦での飯伏幸太のフェニックススプラッシュの時もそうでしたが、華やかに見える華麗な技は常に危険と隣り合わせ。 いくら常人離れした身体能力を持つ飯伏や石森とはいえ、試合中のちょっとしたミスやダメージや疲労が重なれば、常に100%のパフォーマンスをするなんて事は、人間である以上は当然無理です。

かといって危険な空中技を控えるべきというのも難しい話ですしね。

 

お客さんも華麗な技を求めているし、求められている以上は、飯伏や石森もプロレスラーとしてそれに応えるでしょうし、本人のプライドや拘りもあるでしょう。

プロレスに怪我は付き物とは言っても、やはり誰も怪我をしないに越した事はありません。

 

ならば せめてプロレス団体としてリングドクターの常時帯同や怪我をした後の金銭面での保証や保険の加入など、プロレス界では事故が起こる度に問題になってきた事ですが、プロレス団体を名乗るのなら、どんなに小さい団体だとしても これは必ず充実させて欲しいですね。

身体をはって命懸けでリングに立つレスラー達が、安心してプロレスを出来る環境を作る事が、集客よりも何よりもまずは一番大事な事ですから。

 

まぁ何にせよ試合中に、事故が起こらない事が一番なんですけどね。

ただ そればっかりは、どうしょうもない事なので、本当に全てのレスラーが無事にリングを降りれる事を祈るばかりです。

 

今回は望まない形で、勝者になってしまったヒロムが、勝ち名乗りを受けさせようと腕を上げようとしてきたレフリーの手を振り払った場面が、何とも悲しく印象的でした。