3.21新日本プロレス長岡大会で行われた、ニュージャパンカップ決勝戦のSANADAvsデビッド・フィンレー
この一戦には、双方ともに並々ならぬ決意で挑んだのだと思いますが、最後に栄冠を付かんだのはSANADAでした。
シリーズ中に、LIJを脱退して「Just 5 Guys」に加入するという前代未聞の行動を見せたSANADAと、ジェイ・ホワイト追放後のバレットクラブ5代目リーダーとして、周囲にその力を見せつける必要のあるフィンレー。
どちらが勝っても初優勝ではありますが、その背景には優勝は最低条件である2人を取り巻く状況もあります。
どちらが勝ってもおかしくはない好勝負でしたが、最後に明暗を分けたのは何だったのでしょうか?
それはあくまでスマートに自分流に勝とうとしたフィンレーと、プライドもポリシーも捨てて何がなんでも勝ちに拘ったSANADA。
ここが、わずかな差となって結果に現れたのではないでしょうか?
試合終盤のトラッシュパンダを着地してからの「今まで避けてきた技」という師匠・武藤敬司の得意技シャイニングウィザード。
そして「頭から落とすだけがプロレスじゃない」と頑なに貫いてきた男が、なりふり構わず今シリーズから使用を始めた変形DDT。
この連続攻撃でフィンレーを下したSANADAは、新日本参戦後7度目の出場にしてようやくNJC初優勝。
個人的には正直フィンレーが有利かな?と思っていたので、少しだけ意外でしたが、ユニット移籍を果たしてまで、進んだ道がようやく結果という形になりました。
これで新体制となったJust 5 Guysも、NJC優勝者を要する事で、ユニットとしての箔もついたし、さい先良いスタートにもなりましたが、ここまで来ると次に欲しいのは、やはりオカダ・カズチカが持つIWGP世界ヘビー級。
散々「景色を変える」と豪語してきた彼らがいう「景色」とは、単純に考えて長年続くオカダ時代の事。
ここでSANADAが、オカダを倒してIWGP世界ヘビー級王座をその腰に巻く事で、彼らのいう新しい景色を実現できる訳ですが、今のオカダの安定感は半端ないですからね。
ジェイ・ホワイト
鷹木信悟
棚橋弘至
清宮海斗
まだ3月だというのに、今年に入ってから既にこれだけの強豪を打ち倒して来ています。
しかし今のSANADAの勢いなら、これまでたった一度しか勝った事のないオカダにも勝てる可能性は、充分に有ります。 変形DDTを炸裂させれるかどうかがポイントになるのでしょうが、オカダを乗り越えるのは、今が絶好の機会。
逆にここを逃せば、次にその機会が訪れるのは、いつになるか分からないでしょう。
「オカダ一色だったそのベルト。俺が景色を変えてあげますよ。オカダさん、お疲れさまでした」
それでもSANADAは、自信満々にこう言い放ちます。
共に歩いてきた仲間やポリシーを捨ててまで掴んだ今のポジション。
かつて只一人オカダに、ライバルと認められたSANADAは、本当の意味でオカダの横に並ぶ事が出来るんでしょうか?
SANADAの16年のキャリアで最も重要になるであろう闘いが、始まろうとしています。