令和最大の遺恨決着戦で、王者同士の対決となったオカダ・カズチカに、完敗を喫して失意のどん底にいる清宮海斗ですが、そんな清宮に〝バカサバイバー〟こと青木真也が、助言を送りました。
青木と清宮は、グラウンドの指導を通じて親交がありますが、清宮の大一番を観た青木はこう語ります。
「オカダの性格の悪さと強さが際立ったよね。俺も性格が悪いから、一気にオカダのことが好きになったよ。清宮はマリオネットの様だった」
性格の悪さですか(笑)
まぁ確かに、オカダが強さを見せつけた上での完勝をしてしまったので、性格が悪いと言われれば、そうなるのかも知れません。
観る人によっては、オカダと清宮の間には”差”も感じなくて ”完敗”という言葉も当てはまらないと思った人もいた様なので、そういう感想をもった人からすれば、オカダの性格が悪いとは感じなかったんでしょうか。
これに関しては観る人によって意見が分かれるのでしょうが、どちらにせよ、負けたとは言え”清宮が弱い”とは、全く感じなかったので、だからこその青木も期待を込めてエールを送ったのでしょう。
青木が示した清宮の課題とは
「自分の〝箱庭〟を作っているかの違いだ。オカダはニュージャパン(新日本)で自分の箱庭を作った。拳王だって金剛っていう箱庭を作り上げた。武尊はK-1で、那須川天心はRIZINとRISEで。俺だってONE旗揚げの頃からその努力をしてるんだ」
これは別にユニットを作ってリーダーになれという訳じゃなく ノアの正規軍にいるなら、誰もが思う「ノア=清宮」という図式を作れる様になれという事なんでしょう。
現実問題としてノアのイメージは、未だに丸藤正道のイメージがありますからね。
清宮は現王者だし 直接丸藤に勝った事も有りますが、ノア=丸藤のイメージを覆すには至っていない様に、イメージという物はそう簡単に変えられる物ではありません。
こればっかりは、キャリアの浅い清宮にはしょうがない事なので、これから何度も何度も丸藤らと闘い 少しずつそのイメージを作り上げていくしかありません。
宿敵のオカダもそうしてきました。
更に青木は続けます
「だから今、清宮に必要なのはツラの皮の厚さだ。落ち込んでる場合じゃない。つまり参考にすべきは、ぱんちゃんだ!」
今度は、ぱんちゃんと来ましたか
ぱんちゃんは、昨年12月に詐欺容疑で逮捕された女子キックボクサーですが、Twitterにお寿司の画像をアップしたり、出稽古の様子をアップしたり、復帰戦までもう決めています。
確かに彼女の立ち直りの早さは驚異的ですらあります。
青木は見習うべきは
「ぱんちゃんのメンタルの強さ」
としていますが、これに関しては心配ないでしょう。
オカダに敗戦直後こそ、ガックリとうなだれてジェイク・リーの挑発にも言葉を発する事が出来ない程でしたが、今ではスッキリと気持ちを切り替えて、ジェイクとの防衛戦を見据えています。
「泣いてる暇はない」とも言われましたが、今の清宮は泣くどころか、しっかりと前を見ています。
これで良いと思います。
三沢光晴も何度もジャンボ鶴田にトップの洗礼を受け、スタン・ハンセンに叩き潰されて来ました。
武藤敬司も修行時代は、リック・フレアーに勝つ事が出来ず、凱旋後もスコット・ノートンの分厚い壁に何度もハネ返されてきました。
それでもそれを乗り越えて来たからこそ、彼らは日本マットを代表するレスラーにまで登りつめたのですから、清宮にだってそれが出来ない筈はありません。
「チャンピオンらしくなくても良い」と言い 前だけを見る清宮には、批判もありますが今の清宮は、まだまだ発展途上のチャンピオン。
これで良いんじゃないでしょうか?
オカダが既に完成された王者ならば、清宮は発展途上の王者。
これは、ある意味 強力な武器にも成り得ます。
例え今は王者らしくなくても ガムシャラに闘っていけば、自然と王者らしくもなるだろうし、いずれオカダも無視できない存在にはなるでしょう。
清宮はとにかく焦らず、しっかりと自分なりのチャンピオン像を作っていけば良いと思います。
それが、いつになるかは分かりませんが、きっと遠い未来では無いんじゃないでしょうか。