22・1「日本プロレス史上最大の夜」と称されたノア 東京ドーム大会は、大盛況の内に幕を閉じましたが、この大会の結果がノアに及ばしたもの、今後ノアにどう影響するか・・・ひとつの分岐点になりそうな大会でした。
大会全体を見た感想としては、メチャメチャ面白かったです!
現地観戦は出来なかったので、PPV観戦となりましたが、充分に元を取れた位に楽しめました。
一月に行われた新日本の東京ドーム大会の26085人を上回る 30096人の大観衆を集めた今大会は、コロナ禍以降の大会で最高動員数。
まぁ今大会は、武藤敬司引退という付加価値も付いている上に、新日本、全日本、ドラゴンゲート、DDT、東京女子の主力級が惜しみ無く投入されオールスターとも言える陣容だったので、単純にノアだけの力とは言えないかも知れませんが、逆に言えばそれだけの団体や選手を集めれたのは、現在のノアの求心力の大きさとも言えます。
しかし問題はここから。
単純に試合結果だけ見ると後半4試合には、全て新日本が絡み、全て新日本が勝利しています。
これは、ノアファンとしては最も悔しい部分でしょう。
NOSAWA論外はノアを主戦場にしていたとは言えフリー選手。
武藤vs内藤に関しては、対抗戦色の薄い引退試合という事で、ノアにもそこまでのダメージは無いでしょうが、問題は王者同士の対決で
GHCヘビー級王者・清宮海斗
GHCJr.ヘビー級王者・AMAKUSA
この2人が、オカダ・カズチカと高橋ヒロムに、それぞれ完敗を喫している事。
王座が懸けられていないとは言え、この事実はどちらの王座が上か?という疑問に、勝敗という形でハッキリと優劣が付いてしまった事。
ノア的にもイメージとして良くないでしょうが、まぁ世間的には新日本が日本一の団体なので、この結果を受け止めた上で、ノアはここからまた地道に頑張っていくしかないんでしょうね。
ヘビー級王者であり団体の若きエースである清宮が、煽りに煽った挙げ句に、時間無制限を要求しておいて20分も持たずの完敗は、かなりの大打撃だと思いますが、若い清宮には時間はまだまだ有るので、やはりコツコツと経験を積んでいくしかありません。
武藤が未来を託した男は、この一度の敗戦で駄目になる程 弱い選手では無いでしょうから。
団体側の不安要素としては、武藤の引退に伴い小島聡もノア参戦に一区切りつける事を発表した事もあります。
小島は新日本所属と言え、この一年はノアに居るのも当たり前で、ノアファンにも受け入れられる程に自然に溶け込んでいたし、誹謗中傷に悩む清宮を励ましてあげたりと、ベテランならではの良いお兄ちゃんっぷりも発揮していました。
それだけに小島のノア撤退は、ノアファンとしても寂しく思う人も多いでしょうね。
そして団体としての一番の懸念材料は、武藤ロスによる集客低下。
武藤とて毎回出ていた訳ではないですが、それでも武藤程の人気レスラーなら集客に大きく貢献していた事は、間違いありません。
今年の元旦決戦の日本武道館や、今回の東京ドームは、素晴らしい集客でしたが、それは武藤(ムタ)をメインに据えたカード編成であるからこそなのは、否めません。
武藤敬司の引退という事で、最後だから観に行こうという人も多かっただろうし、それこそ武藤が言ってた「骨の髄までしゃぶって下さい」の言葉通りに、武藤をうまく使った結果である事も事実なので、この武藤バブルが弾けた時にどうなるか?という不安はあります。
今回の東京ドーム大会は、集客でもインパクトでも話題性でも新日本のドーム大会を上回る素晴らしい大会でした。
しかし今後の不安に繋がる要素があるので、手放しで喜んでばかりはいられません。
取りあえずは、全日本との対抗戦継続や、負け続きだった金剛の対抗戦勝利、宮原健斗絡みでマサ北宮にスポットが当たった事、ジェイク・リーのGHC挑戦など・・・今後の新たな展開に繋がり、楽しみになってきた部分も幾つかはありました。
そして清宮が、ここからどう巻き返してくるか?はノアにとって一つの軸となるでしょう。 裏を返せば成長の余地があるという事なので、ストーリー的にも清宮の成長にも期待が持てます。
大成功だった東京ドーム大会
しかし その反面これからに、多くの不安も抱えているので、これからどう転ぶかは、本当に選手次第になりそうです。
今年やったからには、どうしても来年も東京ドームを期待してしまいますが、今度は大勢の外敵に頼る事無く 東京ドーム開催にこぎつける位に、ノアが躍進している事に期待です。