新日本プロレスvsノアの対抗戦において、清宮海斗がオカダ・カズチカに対して突如仕掛けた”顔面蹴撃”
令和プロレスで類を見ない程に、賛否を呼んだ事件ですが、オカダのボイコット宣言、清宮の度重なるSNSでの挑発、そしてオカダの乱入劇と対戦が、正式に決まるまでは、とにかく色々な事がありました。
紆余曲折を経て2・21東京ドーム大会にて、両者は遂に遺恨を清算すべく リングで、向かい合いました。
正直セミファイナルでやるには、勿体ない気もしますが、令和のプロレスでは間違いなく最大の遺恨決着戦
メインの武藤敬司引退にも負けないだけの話題性を誇るし、勝負論に関してはそれ以上です。
戦前に煽るだけ煽っただけあって、リング上には”負けたくない”意地が交錯し 予想通りの･･･いや予想以上の凄まじい試合となりました。
険しい表情のオカダが、序盤から厳しい打撃と場外での強烈なボディスラム。 明らかに普段とは違うオカダが、顔を覗かせますが、せっかくこの一戦を実現させた清宮もそう簡単に、引き下がる訳にはいきません。
三沢光晴を彷彿させる強烈なエルボーでお返していきましたが、このエルボーには、ノアを背負う覚悟が感じられました。
レインメーカー封じの為に繰り出した腕へのドロップキック
レインメーカー返しのシャイニングウィザード
気迫みなぎる清宮は、実に効果的な良い攻めを連続で見せ、さしものオカダも苦悶の表情を浮かべます。
そして得意のタイガースプレックス！
ここが清宮の一番の勝機でしたが、ここまで受けてもオカダにはまだ余裕がありました。
タイガースープレックスをカウント2で返した後に、遂に炸裂させたレインメーカーを自らの手でカウント2で解くオカダ
こんな余裕を見せて舐めプをしたら、この後に反撃されて大逆転を許すパターンなんじゃ・・・と思っていたら、オカダのツメはそんなに甘く有りませんでした。
変形のエメラルドフロウジョンを旋回式で決めると 再度のレインメーカーで今度こそ文句のつけようのない３カウント。
令和最大の遺恨決着戦は、オカダの完全勝利に終わりました。
３カウントを奪った後は、何を話すでもなくパフォーマンスをする訳でも無く「当たり前の勝利」とでも言わんばかりに、オカダは足早に引き上げていきます。
これが逆に清宮からすれば悔しかったかも知れませんね。
「完敗」
正直な所もっとギリギリの消耗戦になるのかと思っていたのですが、蓋を開けてみたら「完敗」という言葉がしっくり来るほどの完ぺきな負けでした。
ようやく掴んだオカダ戦に完敗を喫してしまった清宮は、当然の事ながらこのまま引き下がる訳にはいかないでしょう。
結果的に、前日に要求して実現した「時間無制限一本勝負」は16分で決着したので、この試合時間変更には、ぶっちゃけ意味は有りませんでしたが、勝っても負けても白黒ハッキリ付けようという清宮の覚悟は、伝わったんじゃないでしょうか。
世紀の一戦に敗れた悔しさはMAXでしょうが、オカダに追いつくその日まで何度でもオカダに喰らいついていけば良いと思います。
肝心のオカダが、「当たり前の勝利なので完全決着」として、清宮とはこれで終わりと言う意思を表明しているので、すぐに再戦というのは難しいかも知れませんが、これで諦める様な清宮では無いでしょう。
「顔面蹴り」という行為自体は容認出来ませんが、批判も全て受け止める覚悟で、あの行為に及んだその度胸と覚悟は凄いと思うので、今度は正攻法でもう一度オカダを振り向かせれば良いんじゃないでしょうか？
この日の清宮は負けはしましたが、その気迫は目を見張る物があったし、勝利への執念も存分に見せつけました。
確かに現時点では、オカダとの力の差は有った様に感じましたが、清宮はまだまだ若いので、伸び代は幾らでも有るし、リベンジするチャンスだって幾らでも有るでしょうから、この敗北を糧にますます大きいレスラーになって欲しいと思います。
令和最大の遺恨決着戦は、オカダ・カズチカの完勝に終わり「プロレス界を変える」と豪語していた清宮は、結果的にプロレス界を変える事も 業界の序列も変える事も出来ませんでした。
しかし清宮がこのまま成長を続けていけば、間違い無くオカダを脅かす存在になるとは思います。 そこまで時間もかからないでしょう。
10年後･･･いや5年後、3年後のプロレス界はどうなっているのでしょうか？
その時 清宮海斗は、プロレス界で確固たる地位を築いているでしょうか。
この敗戦が、後に清宮にとって大きな財産となれば、この日の悔しさも決して無駄ではありません。
今すぐの再戦はやらなくても良いので、2年後3年後くらいに機が熟していれば、もう一度観たいドリームカードですね。
オカダ・カズチカｖｓ清宮海斗
日本マット界の”宝”として大事に育てていきたいカードです。