清宮海斗は期待していたレスラーでした。
しかし清宮には、本当にガッカリです・・・
遂に幕を開けた1.21横浜アリーナ大会の新日本プロレスvsノアの団体対抗戦ですが、その中で行われた注目の一戦。
オカダ・カズチカ、真壁刀義vs清宮海斗、稲村愛輝
この一戦は、言うまでも無く 昨年の対抗戦で涙の敗戦を喫した清宮が一年振りに、オカダと対戦する事に注目が集まる訳ですが、誰も予想しない意外過ぎる結末となってしまいました。
清宮としては昨年の負け以降 着実に実績と激闘を積み重ね 武藤敬司の魂をも継承して確実に大きな成長をして来た一年でした。
それだけに因縁のオカダを相手に逸る気持ちも抑えきれなかったのでしょうが、そんな清宮を前に試合開始前からオカダは、清宮を無視。
これは勝者側の余裕でしょうか
しかし 自分の思いをスカされた清宮の怒りは、思わぬ形で爆発してしまいます。
試合が進み 試合権利を得たオカダが、ここでも清宮を無視するかのように、敢えて清宮に背中を向けて稲村にチンロックを極めた場面。
背後から清宮が近付いてきて オカダの後方からストンピングを浴びせますが、オカダはこれも無視。
ここで遂に事件が起きました。
何と清宮が背後から、オカダの顔面めがけてミドルキック!
完全な死角からの蹴りに、悶絶するオカダ
まるで前田日明が、長州力に起こした「顔面襲撃事件」の再来とも言うべきシーンが、まさかのこの試合で繰り広げられるとは・・・
しかも前田はレガースを着けていましたが、清宮はリングシューズ。 モロに喰らった余りに危険な一撃で、オカダの額のあたりは血が滲んでいましたが、これは絶対にやっちゃあいけない一発でしょう!
これには流石のオカダも 普段見せた事の無い様な怒りっぷりで清宮に襲いかかります。
なりふり構わぬ大乱闘で、真壁や稲村も乱闘に加勢するのではなく パートナーを静止していた事からも これが明らかな異常事態であった事は一目瞭然。
事もあろうか 他団体のリングで清宮はプロレスのリングで越えてはいけない一線を超えて来たのです。
試合はもう収拾が付かなくなり無効試合に。
この裁定は当然だと思いますが、何と言うか・・・残念
単純にこの試合を楽しみにしていたと言うのもありますが、それ以上に清宮海斗には、ガッカリです。
期待していた選手だけに、心底ガッカリです。
清宮がこの一戦に懸けていた想いは分かります。
オカダにスルーされた清宮が冷静でいられなかった事も分かります。
しかしあれは駄目でしょう
あれは、プロレスの範疇を超える攻撃です
「プロレスにやり過ぎなんてない」「ガンガンやりゃあ良いんだよ」とは良く言いますが、それはあくまで正面から鍛え抜いた箇所を狙った攻撃での事。
死角から・・・しかも鍛えようのない顔面を狙うなんてのは、かつて前田が「顔面襲撃事件」を起こした際にアントニオ猪木が言った
「プロレス道にもとる行為」
正しく これです。
オカダに対して怒りを爆発させるのは、全然良いんですけどプロレスラーとして もっとやり方が有った筈ですよね?
裁定後に引き上げるオカダに「逃げるのか!シングルでやれ!」とマイクしてみたり、この日の清宮は感情的になっていたんでしょうが、少しやり方がズルかったかな。
あんなマイクをしちゃったら、オカダが逃げたみたいな感じになっちゃうし、そもそも暗黙の了解を一方的に破ったのは清宮です。
どの口が言ってんだか・・・と思ってしまいましたが
清宮はプロレスをやりに来たのか?
最初から喧嘩をやる為に来たのか?
何にせよ清宮には、失望しました・・・
武藤敬司を乗り越えた事で、武藤の技と魂を継承したと思っていたのですが、あんなプロレスは武藤の最も嫌うプロレスな筈。
武藤があの試合を見て何を思ったのか?
そこも是非聞いてみたいですね。
今後オカダと清宮が、決着を付ける時がくるのかは分かりませんが、やるのならシングルしか無いでしょうね。
しかし 清宮が怒りにまかせて暴走してプロレスをやる気が無いのなら 相手にする必要は無いと思います。
清宮がまともにプロレスをやる気があるのであれば、どちらが勝つにせよ試合は楽しみですが、今回の件についてノア側の見解も気になる所ですね。
喧嘩なら喧嘩
格闘技なら格闘技
そしてプロレスにはプロレス
どのジャンルにも それぞれ暗黙の了解や ルールや礼儀があります。
良い所も有れば、悪い所も有ります。
それを守らないで怒りにまかせ 不意打ちで一線を越えてしまうのは、もはやプロレスでは無いと思います。
清宮はまだ若いので失敗なんか幾らでも有るでしょうから、今後 冷静になって 改めてくれれば良いのですが、ずっとあんな感じで行くのであれば、清宮とはもう関わらなくても良いんじゃないでしょうか?
まさか この試合で歴史に残る様な大事件が起こるとは、思いもしませんでした。
果たして清宮はどこに行くのか?
オカダの報復はあるのか?
「LIJvs金剛」の対抗戦に比べて やや影の薄い感のあった「新日本vsノア」ですが、思わぬところで思わぬ波紋を呼ぶ結果となってしまいました。
この事件の着地点は、一体どこになるんでしょうか??