世界の獣神がリングを去った日

2020年1月5日は、”世界の獣神”こと 獣神サンダー・ライガーが30年に及ぶ現役生活に別れを告げた日です。

 

1989年に、獣神ライガーとして初の東京ドーム大会で、彗星のごとくプロレス界に登場したライガーはその圧倒的な存在感と実力で、瞬く間に新日本Jr.のみならず 日本マットのJr.ヘビー級の象徴と呼ばれる存在にまで駆け上がりました。

その活躍ぶりは、ライガーのタイトル歴を見れば一目瞭然でしょうが、国内外を問わず、現在第一線で活躍するトップ選手の中にも ライガーに憧れ今なおレジェンドとして崇めている一流選手も数多く存在します。

 

数々の激闘 数々のJr.ヘビー級のイベント

Jr.ヘビー級と言うジャンルを盛り上げる為に、個人の格や団体の大小にも拘らず 只ひたすらプロレスを・・・Jr.ヘビー級を愛して来た男にもリングを去る日がやって来ます。

引退発表から一年かけて引退ロードを歩み、これまでのライガーの歴史には欠かせない選手達との様々な再開も果たしてきました。

 

そうして迎えた2020年 東京ドーム

この年の東京ドーム大会は、2DAYSで行われ この2日間でライガーの引退に花を添えるべく、もしくは引導を渡すべく多くの選手が集まりました。

初日の1・4では、尊敬する藤波辰爾やかつてのライバル佐野直喜

新日Jr.黄金期を共に支えた 後輩の大谷晋二郎、高岩竜一らに囲まれ、過去の激闘を振り替えるような激闘を展開しましたが、最後は田口隆祐のどどんで完敗。

 

そして本当に最後の最後となる1・5では、ライガー&佐野vs高橋ヒロム&ドラゴン・リーの新旧ライバルタッグ同士の対決。

過去の新日Jr.と未来の新日Jr.の対決ともいえるタッグマッチとあって ライガーは燃えました。 本当にこれが引退する選手なのか?と思わせる程の力強いファイトをみせるも、そこは流石に現在進行形の新日Jr.のトップであるヒロムも引く訳にはいかず タイムボムで粘るライガーを振り切り、ライガーは沈んでしまいました。

 

最後は2連敗という形で、ライガーの長い激闘の歴史は幕を閉じましたが、誰よりも新日Jr.を愛した男が、最後は”新日Jr.の未来”であるヒロムに介錯され、ヒロムに新日Jr.の未来を託しリングを去っていきました。

最後に勝利という形で、有終の美を飾って欲しかった思いは確かに有りますが、プロレスにおいては勝つ事だけが全てではないし、未来を託して去っていく姿はライガーらしくもあり、これはこれで一番良い終幕だったのかも知れません。

 

最後は決してしんみりとした終わり方ではなく、マスク越しでも分かる位にライガーは一辺の悔いも残さず晴々とした表情で、最後の時を迎えました。

Jr.ヘビー級という階級の地位を向上させ、日本プロレス界の歴史に名を残した世界にその名声を轟かせたレジェンドレスラー。

 

2020年1月5日は、獣神サンダー・ライガーが現役引退をした日でした。