今年2度に渡り IWGP世界ヘビー級王座戦に敗れ、ニュージャパンカップは惜しくも準優勝に終わり、G1はあと一歩で決勝進出を逃した内藤哲也でしたが、来年の東京ドームに向けてストーリーが加速していく中で、遂に内藤が動き出しました。
9・25の神戸ワールド記念ホール大会のメインイベントで、タイトル防衛に成功した IWGP USヘビー級王者ウィル・オスプレイの前に、現れたのが内藤で、ここにきまさかのUSヘビー級王座への挑戦表明をしたのです。
この日のメインイベントでは、オスプレイが、デビッド・フィンレーの挑戦を受けたのですが、物凄い試合でした。
G1ではフィンレーが、オスプレイに勝利しているとは言っても まさか あのオスプレイを相手にここまでの試合を展開出来るとは思わなかったので、フィンレーの成長には驚くばかり。
試合には結局オスプレイが、一瞬の隙を見逃さずヒドゥンブレイドからストームブレイカーのフルコースで、フィンレーを仕留めV2に成功していますが、勝利の余韻に浸る間もなくオスプレイの前に現れたのは、内藤哲也。
これは少々意外でした。
内藤は東京ドームのメインイベントに誰よりも拘っていたし、IWGPヘビー級(IWGP世界ヘビー級)にも強い拘りがあったので、ここでUSヘビー級を狙ってくるとは思いもしませんでした。
オスプレイには、G1準決勝で敗れた借りを返さなくてはならないという名目もあるかも知れませんが、USヘビー級王座には失礼ながら、USヘビー級王者になったとしても東京ドームのメインに立つには、IWGP世界ヘビー級王者にならない限りは難しいでしょうから、内藤が狙うならやはりIWGP世界ヘビー級が妥当だと思った訳です。
まぁIWGP世界ヘビー級に関しては、次の挑戦者は、タマ・トンガに決定しているしスケジュール的にも他の防衛戦は無理なので、ジェイvsタマの勝者がドームのメインに立つのは確定事項なので、そこはどうしようもないのですが、内藤の事だから何か屁理屈をこねてでもIWGP世界ヘビー級王座に食い込んでくるのでは?とも思っていました。
内藤が他のベルトに色気を示すのは、やはり今年に入ってからチャンスを物に出来ずにいる現状を打破する為に、今は実績を積む必要があると考えての事でしょう。
「この行動が果たして東京ドームのメインイベントへ続く道なのか、恐らく答えはノーだと思うよ。でも、だからと言ってじっとしている訳にはいかないよ。じっとしていたら、それこそゲームオーバーだからね」と自ら語っている様に、USヘビー級を獲った所で、来年の東京ドームのメインに立つ事が敵わないのは、内藤も充分に承知している筈。
しかし再来年以降には、道が開ける可能性は有ります。ここで結果を出せば今後もチャンスにも恵まれるでしょう。
それを踏まえた上で、まだまだ続く自身のキャリアの2~3年後を見据えての行動ではないでしょうか?
まぁそんな事は関係無しに、内藤はプロレスラーとして、今ノリにのっているオスプレイと純粋に闘いたかったと言うのも有るかも知れません。
どちらにせよ内藤にとっての当面の目標は、オスプレイ
勢いのあるユナイテッドエンパイアに比べて、やや勢いの落ちたロスインゴの為にも打倒オスプレイは、命題と言えるでしょう。
しかし そう思う通りに簡単にいかないのが内藤のプロレス人生。
内藤の挑戦に”待った”をかけたのが、G1で内藤に敗れているザック・セイバーJr.でした。
ザックにしてもオスプレイとは、同郷のライバル同士であり、内藤とは因縁の関係。
今年のNJC覇者としては、ここは黙っていられなかったのでしょうね。
こうしてリング上でのやりとりの後に、10月1、2日(日本時間同2、3日)に開催されるロンドン大会で、シングルマッチをおこない、勝った方がオスプレイに挑戦する流れとなりました。
まだ決定では有りませんが、内藤も誰にも文句を言わせない為には、これは受けて立つでしょう。
ザックとオスプレイに連勝しなければならないのは、かなりハードルも高いですが、ここを乗り越えれば ゆくゆくはIWGP世界ヘビー級への挑戦・・・そして東京ドームのメインのリングに立つ事・・・そしてデハポンの大合唱の夢をグッと引き寄せる事が出来るでしょう。
順風満帆にいかないのが、内藤のプロレス人生でしたが、なかなか敵わない夢をガムシャラに追いかけ続けるのが、内藤の生き様。
オスプレイもザックも良いレスラーだし好きな選手ですが、内藤が夢を諦めない限りは応援するし、近い将来に内藤が報われる時が来ると信じています。