三沢光晴の得意技と言えば、エメラルドフロウジョン。
1998年に初公開してから技の形に改良を加え、その破壊力やフォルムの美しさから三沢の代名詞となるには、さほど時間はかからずに、三沢の大一番では必ず繰り出される技にまでなっていきました。
その三沢が立ち上げたノア。
ノアの象徴として 三沢が組織の頂点にいたのは言うまでもなく、選手には三沢の弟子も多く 直接の師弟関係に無い選手達にも 三沢の意思は、確実に受け継がれていたと思います。
三沢光晴の没後、そんな三沢の意思を継ぐかのように、三沢の得意技を使用するレスラーが増えたのも必然。
もちろん三沢の代名詞であるエメラルドフロウジョンも例外ではなく、ここぞの場面では、ノアの象徴エメラルドフロウジョンが、時にはアレンジを加えられた形で披露される事もありました。
その中でも見た瞬間に、最も意外性を感じたのが、エディ・エドワーズのダイハードフロウジョン。
エドワーズが2017年に、自身初となるGHCヘビー級初挑戦で、中嶋勝彦から王座奪取した時に、初公開された技です。
相手の足を4の字に組んだ形で、フィッシャーマンバスターに持ち上げてから
相手の体を反転させて、左肩の上に抱え直し そこからエメラルドフロウジョンで、マットに脳天から突き刺す技。
まず エドワーズが、外国人初となるGHCヘビー級王者になった事が驚きでしたが、変形とは言えノアの象徴的な技であるエメラルドフロウジョンを外国人のエドワーズが、使ってきた事に驚きましたね。
エドワーズは元々 相手の足を4の字に組んだフィッシャーマンバスターを得意としていたので、(ダイハード)自分の必殺技と 三沢光晴の必殺技を組み合わせたと考えると、そこにエドワーズのノアに対する想いも見えてきます。
考えてみれば、エドワーズもノアの道場で留学生として 若い頃を過ごしているので、エドワーズの中にもノアに対する想い、三沢に対する想いという物は、日本人選手にひけをとらないかも知れません。
むやみやたらに、NOAHの象徴技に手を出したのはでは無く かつて外国人留学生として青い目のノア戦士と呼ばれたエドワーズだからこそ 許される技だと思います。
技の系統が、丸藤正道のポールシフト式エメラルドフロウジョンと一緒じゃん・・とかは、言いっこなしです。
実際に持ち上げる体勢が少し違うし、エドワーズも丸藤も2人ともNOAH道場で汗を流し、供に三沢の背中を見て プロレスラーとして成長したのだから少し位 技が被ったって良いんです。
お互いに、たまたまフィッシャーマン系の体勢で持ち上げる技を使っていて、お互いにたまたまエメラルドフロウジョンに繋ぐ発想になっただけで、パクりとかそういう話では無いと思います。
例え国籍は違えど、エドワーズも三沢の意思を受け継ぎ、いまや立派なレスラーに成長したノアの申し子なのですから。