7.16 新日本プロレス最大のドル箱シリーズである 真夏の祭典 G1クライマックスが、札幌大会で遂に開幕しましたが、その開幕戦では波乱の幕開けが待っていました。
Cブロック公式戦で組まれた棚橋弘至vsアーロン・ヘナーレは、3度の優勝実績を持つACE棚橋が、まさかの黒星発進という衝撃の展開。
試合は互角に進むもフィニッシュを狙った棚橋のハイフライフローを膝で迎撃したのが、勝負の分かれ目となり、ここから流れがヘナーレに傾いていきます。
ボディーブローやスピンキックの強烈な打撃を浴びせてから最後は、必殺のStreets Of Rageを炸裂させて文句の付けようなの無い完璧な3カウントを見事に奪って見せたのです。
両者の格を考えると”衝撃”の展開とは言いましたが、実を言うと個人的には棚橋が、星を落としそうだと思っていたのが、このヘナーレ戦だと思っていました。
と言うのもここ数年の棚橋は、G1公式戦に限っては
2016年のSANADA戦
2019年のウィル・オスプレイ戦
2021年のジェフ・コブ戦
とにかく初対決であったり、新ユニットに加入して変貌を遂げたばかりの選手には、弱いイメージがあったからです。
コンディションが思う様に上向かない近年の棚橋にとって、新日本上陸を果たしたばかりの選手や 新生となったばかりの選手には、どうしても勢いで押されてしまうのは分かりますが、ACEとしては何とも歯がゆい状況でした。
相手からすれば新日本の象徴である棚橋を倒せば、一気に新日本のリングで存在感を示せるので、棚橋戦というのは相手にとって特別な試合だという事は理解は出来ます。
だからこそ棚橋には「新日本は甘くないよ」と言うのを見せつけて欲しかったんですけどね。
残念な結果ではありますが、今回の相手だったヘナーレとしても この一戦だけは何としても落とせない一戦だったのは言うに及ばずですからね。
結果を残せなかった若手時代。
ヤングライオンを卒業しても大きなチャンスにも恵まれず、これといった実績を残せなかった正規軍時代。
それだけに2021年のユナイテッド・エンパイアに加入して 心機一転してやり直す事は、ヘナーレにとって一大決心だったでしょう。
しかし そこで不運にも怪我による欠場で、出場濃厚だろうと思われていたG1初出場も逃してしまったので、今年ようやく掴んだG1初出場には相当 期する物があったと思います。
その初戦の相手が、ACE棚橋弘至ともなったら尚更です。
かくしてヘナーレは、ユナイテッド・エンパイアに加入して ようやく一つの大きな結果を残す事になりました。
しかし問題はここからでしょうね。
優勝候補に勝利するも その他の成績がイマイチに終わるというのは、この手のリーグ戦では良く有る事。 せっかく開幕戦で棚橋に勝利したのだから この勢いをどこまで持続できるか・・・ここからがヘナーレの真価が問われる時だと思います。
この棚橋戦での勝利が「まぐれ」では無かったと証明するには、ここから勝ち続けるしかありません。
個人的には、ここから棚橋に巻き返し見せて欲しいですが、それと同様にヘナーレにもユナイテッド・エンパイアに加入した事が、決して無駄では無かった事を見せつけて欲しいです。