ブラックタイガーのBTボム

歴代ブラックタイガーの中でも 抜群の身体能力とプロレスセンスを持ち、随一のテクニシャンと名高い2代目ブラックタイガーですが、ああ見えて歴代でもトップクラスのパワーを兼ね備えている選手です。

その2代目ブラックのパワーを象徴する技がBTボム

 

パワーボムの要領で相手を抱え上げると、相手を後方にスライドさせ、両脇を支えて宙吊り状態にしてから、相手を前方にホイップしてシットダウン式でマットに豪快に叩きつける技。

ダイナマイト関西が開発したスプラッシュマウンテンと同型で、ブラックがその存在を知っていたのかは、定かではありませんが、女子プロの技を導入したのには、少なからず驚きがありましたね。 

それまでのブラックの必殺技は、スイングDDTと言う華麗な技で、もちろんパワーを活かした技も使用はしていましたが、注目される部分は、やはりテクニックの部分だったので、1994年にBTボムをレパートリーに加えた時は、少し意外でした。

 

BTとは、言うまでも無くブラックタイガーの略称ですが、現在では他の選手が同じ技を使用してもスプラッシュマウンテンではなく、何故かBTボムと呼ばれる事の方が多くなっています。

1990年代の新日本の影響力ですかね?

 

女子プロで関西のスプラシュマウンテンは、正しく一激必殺だったのに対して、ブラックのBTボムも勿論多くのフォールを奪ってはいましたが、同時にカウント2で返される事もそれなりに多く 決して一撃必殺と言う訳ではありませんでした。

この時は「あの技を返すなんて新日 強っっ!!」と思ったもんです。

1990年代は世界最高峰の新日Jr.と言われていた時代ですし、当時の新日Jr.はお世辞抜きに世界でもトップレベルの闘いを毎日していたので、技のインフレも激しく 少し前までは一撃必殺だった技もフィニッシュにはならなくなる・・・なんてのはザラでした。

 

そのインフレの波に飲まれBTボムも後に、雪崩式に進化を遂げるのですが、雪崩式にするまでも無くBTボムは充分に強烈な技だし、見栄え的にもとにかく映えるし、説得力も充分過ぎる位にあります。

出来たら勝率100%とまでは行かなくても、もう少しだけでも必殺技としての価値を保って欲しかったな・・・とは思いましたね。

 

若手時代のTAKAみちのくが、新日本プロレスに参戦していた際に、実力差のあるブラックに相当ボコボコにされた上に、最後はBTボムで完全KOをされてしまった事があり、後に今までのキャリアの中で「最も痛かった技」とまで語っている。

 

当時はまだキャリアも浅かったTAKAですが、ここまでの言葉を引き出したと言う事は、やはりBTボムはかなり強烈な技と言う事ですね。

 

BTボムは基本的にブラックタイガーとしての必殺技ですが、素顔のエディ・ゲレロになりWWEに移籍してからも使用した事はあります。

しかし 流石に大型選手の多いWWEで、この技を仕掛けるには体格差が大きすぎる為に、数度の使用で留められています。

 

やっぱり90年代半ばに、新日Jr.の中での闘いでブラックタイガーとして この技を繰り出している姿の方が大きく印象に残っています。