新崎人生の無間

既存の技の前に”拝み”を挿入する事で、自身のキャラクターに合った独特なオリジナル技を数々編み出した新崎人生ですが”拝み”は関係無しでも、これまた独特なオリジナル技も持っています。

 

それが無間です。

 

相手の正面から、腹にヘッドバットを打ち込むと、そのまま頭を相手の腹に固定したまま
両腕をクラッチして、一旦頭上まで相手を担ぎ上げる。

そこから一気に後方に反り投げる事で、マットに叩きつけると同時に、自分の頭が相手のミゾオチに強烈に食い込ませてダメージを与えると言う技。

 

人生の完全なオリジナルで、滅多に出す事の無い奥の手の一つ。

人生はスープレックス系は余り使わないので、スープレックスを使うこと自体が珍しいのに、両腕だけを掴み後は後頭部で支えているだけという不安定なクラッチで、投げてしまうのは、スープレックスとしては、かなり珍しい部類だと言えます。

叩きつけることよりも、後頭部を相手の腹に突き刺す事に重点を置いている技なので、そもそもが普通のスープレックスとは、趣旨が違うんでしょうね。

 

強いて言うなら自分の肩を相手の体に突き刺すノーザンライトスープレックスに近いのかも知れません。

最もノーザンライトスープレックスは、クラッチがかなり、しっかりしているので無間とは比較にならないかも知れませんが、無間は相手を頭の上に乗せて一旦制止しているタメの時間が、何となく好きでした。

両腕を掴んでるとは言え、100kgを越えるプロレスラーを頭の上に乗せるだけで、支えてしまうんだから「プロレスラーってのはどんな首をしてるんだ?」とリスペクトしてしまいます。

 

この技は1998年の開国間もない全日本プロレスに、人生が参戦していた時の三沢光晴戦で初公開。

全日本の頂点の三沢に挑戦する事で、人生にも期する物があったのでしょう 必殺の念仏パワーボムを返されて、最後の一手として繰り出したのが、この無間でした。

 

念仏パワーボム程の迫力はありませんが、破壊力は負けていないと思います。 人生の体重の乗った後頭部が腹に突き刺さるのだから、見た目以上にダメージはあるでしょう。

惜しくも決め手にはなりませんでしたが、まぁ 日本マット界でも屈指のタフネスの三沢ですから、これは相手が悪かったですね。

 

この技を公開した時に、いつか雪崩式無間も見たいとは思いましたが、雪崩式スープレックスをやる場合は、ブリッジで頭からマットに着くのは、さすがに自分が危険過ぎます。

なので 必ずブリッジを崩して投げるのですが、無間は技の性質上 ブリッジを崩して頭を突き刺さなかったら意味が無くなってしまうし、仮にこれをブリッジを利かせて雪崩式でやっちゃったら 間違いなく自分の首をやっちゃいます。

雪崩式無間は、絶対に無理ですね。