天山広吉の固め技と言えば真っ先に、思い浮かぶのがアナコンダバイスだと思いますが、天山がアナコンダバイスを開発したのは、G1初優勝を果たした2003年の事。
それまでの間の天山の固め技と言えば、ヤングライオン時代の得意技の抱え込み式逆エビ固めをはじめ、猛牛足卍、マウンテンクロスなど意外にもレパートリーは多かったのですが、そのどれもが使いだしてすぐ使わなくったか、稀にしか見せない技でした。
その中にあって 最も定着した天山の固め技は、2000年頃に開発したバッファロースリーパーでしょう。
相手の左腕を後方に捻り上げて、巻き込むように自分の腕を絡めて固定してからの変形のスリーパーホールド。
開発当時こそ、何度かギブアップも取ったりしていたが、時が経つに連れてギブアップは奪えなくなり、完全な繋ぎ技になってしまいましたが、それでも使用頻度は高く 毎試合の様に必ず使用される天山の定番の技でした。
2003年に天山がアナコンダバイスを開発してG1初優勝を果たした事で、天山の新たな必殺技として周囲にも完全に、アナコンダバイスが認知されてしまった為か、バッファロースリーパーの使用頻度は激減してしまい、フィニッシュになる事なんて一切無くなってしまいました。
新たな技の出現で、古い技のランクが下がってしまうのは、プロレス技では良く有る事なのですが、バッファロースリーパーは安定感も高く 胴絞め式などの改良版も考案されていてるので、消えるには惜しい技でありました。
完全にアナコンダバイスに取って代わられ、バッファロースリーパーに必殺技としての神通力が失われていた2007年。
有る意味バッファロースリーパーに関わる印象深い事件?が起こります。
G1クライマックスでの蝶野正洋戦で、試合終盤で「さあ、これから!」と言う時に唐突にバッファロースリーパーが極まるや、蝶野はまさかのギブアップ!!
突然の決着に、会場が唖然としてしまった事があります。
アナコンダバイスじゃなくて バッファロースリーパーなの?
何で今更バッファロースリーパーなの?
バッファロースリーパーを必殺技にしていた時代に、一度もギブアップした事無いのに、何で今頃それでギブするの?
これって天山のせい?
それとも蝶野のせい?
ネット上でも様々な声が飛び交いましたが、バッファロースリーパーで極まるのが駄目だったと言うよりも、試合が決まったタイミングの問題でしょう。
当時の蝶野は既に全盛期を過ぎており、昔の様な激しい試合も出来なくなっていたし、これから試合は佳境に入ると言うタイミングでのまさかの唐突な決着だったので
「物足りなさが残った」
只それだけだったのだと思います。
取り敢えず蝶野クラスをバッファロースリパーで仕留めた事で、バッファロースリーパーが必殺技として、復権するのかと思いきや、そんな事は無くバッファロースリーパーがフィニッシュになる事は、それっきり有りませんでした。
あれは何だったんでしょうね?
ちなみに、この技誕生の秘密は、夫婦喧嘩の際に奥さんにスリーパーで首を絞められ、苦しむ天山は 腕を後ろに伸ばして振りほどこうとしたのですが、奥さんはその腕を巻き込み、そのままスリーパーを極めてしまったのです
ここにバッファロースリーパーが完成しました。
要するに天山の奥さんが、最強と言う事です。