日本マット界のJr.ヘビー級随一のテクニシャンである外道が、自ら考案し代名詞とした必殺技が外道クラッチ。
キャメルクラッチの体勢から、両腕で相手の頭を内側に押し込み、自身は前のめりになって地面に手をつきながら、相手を反転させ押さえ込む技。
WAR在籍時に編み出した技で、当時は連戦連敗中だったウルティモ・ドラゴンから初勝利を挙げたのは、初公開となった外道クラッチでした。
そう言えば当時は○○クラッチとかの技名が、結構多かったですね。
キャメルクラッチから丸め込みに移行すると言うアイディアは、当時なかなか革新的で 決して派手な技ではないにせよ「あそこから丸め込めるんだ」と驚いたものです。
今でこそカウント2で返される事も珍しく無くなりましたが、2000年代頃までの外道クラッチのピンフォール率は驚く程高く 2002年から新日本プロレスにフリー参戦して間もなく 新日Jr.の重鎮である獣神サンダー・ライガーから、いきなり3度のフォールを奪ってしまったのです。
メジャーマットの中心に居たライガーを インディーを渡り歩いてきた外道が飲み込んでしまったのは、当時なかなかの衝撃で、この頃から既に外道の巧さは周知の事実だったとは言え、改めて外道の巧さを再認識させられた瞬間でした。
90年代の外道クラッチは、決まれば確実に3カウントを奪える技で、フォールを跳ね返した事があるのは、本人が言う所によると1995年のJ-CUP決勝戦で闘ったライガーだけでした。
2002年になってから新日本にやってきた外道が、外道クラッチでライガーから連続フォールを奪ったのは、7年越しのリベンジと言えますね。
その後、金本浩二やタイガーマスクと言った新日本Jrが誇るトップレスラーの殆どを外道クラッチで仕留めた事もあり、時は遡りますが1995年にはメキシコの大物中の大物 ドス・カラスからも完全な3カウントを奪った事がある程です。
更に何故かそれ程、大きく取り上げられる事は無かったが2002年には、タッグマッチながら当時はバリバリのトップクラスだった永田裕志をも丸め込んだ事もあり、外道の大物食いと言えば、その殆どが外道クラッチと言う 正に外道の切り札と言える技である。
丸め込みとは言え、その勝率からして必殺技と言っても全く問題ないでしょう。
近年では、かつての神通力は失われたと言っても、今でも技が完璧に決まればヒヤリとさせられてしまいます。