プロレス界には、全く同じ技を使う選手は腐る程いますが、ほんの少しのアクセントを加えただけで、物凄いオリジナリティ溢れる技に変貌を遂げた技も幾つかあります。
その一つが、新崎人生が編み出した念仏パワーボムです。
技自体は単なるパワーボムですが、体勢に入った時に、たっぷりとタメを作り 合掌して念仏を唱えてから、パワーボムを炸裂させる新崎人生のオリジナル技。
言うまでもなく 人生のお遍路さんキャラの世界観を技の予備動作に活かした訳で、ここで念仏を唱えるだけで、人生らしさがグッと増します。
念仏を唱える意味？
それは、新崎人生の技だからです。
それだけで充分です。
他の理由など一切いりません。
深く考えてはいけません。
しかし、それにしても新崎人生はかなり特異なキャラクターですが、その独特な世界観をここまで得意技とミックスさせたのは、見事と言う他ありません。
技その物ではなく、技の体勢に入った時点で新崎人生ワールド全開と言えます。
人生がそのキャラクターを買われ、当時としてはまだまだ珍しい、日本人のWWE入団を果たしたのも納得です。
姿から技に至るまで、徹底してる所が素晴らしいですからね。
念仏パワーボムは、人生の必殺技で多くのフォールを奪ってきていますが、余りにも特殊な技な為に、パクり上等なプロレス界に置いても念仏パワーボムを使う選手なんて絶対に出てこないと思っていました。
しかしFMW参戦時に、抗争をしていたミスター雁之助や 新日本プロレスでシングル対決をした小原道由などが、人生に対する挑発の意味で、念仏パワーボムを使用。
余りにも特殊な技なので、挑発する為に敢えてパクったのは分かるので、抗争が終わると同時に念仏パワーボムも使わなくなるのだと思ってました。
しかし両者供に、実はこの技が気に入ってたのか……抗争が終わってもしばらくの間、当たり前のように継続して念仏パワーボムを使用していました。
どうやら人生と、一度でも抗争をしてしまった相手は、パワーボムの前に拝みたくなる傾向に有るようです。
恐るべし 念仏パワーボム