ライガーのラウンディングボディアタック

トップロープから、リング上で立っている相手に対して、ラウンディングボディプレスの要領で、斜めに捻りを加えながら後方宙返りで、体ごとぶつかっていく技。

「ラウンディングボディプレスの要領で」と言っても 武藤敬司のムーンサルトプレスの別名のラウウンディングボディプレスでは無く、その流れを組むSANADAのラウンディングボディプレスでも無く、初代タイガーマスクが使用していた捻り式のムーンサルトプレスの方です。

 

獣神サンダー・ライガーのオリジナル技で、かなり短期間だがフィニッシュホールドに、使用していた事も有ります。

厳密に言うとライガー本人は、捻りを加えて飛んでいる訳ではなく普通のバク宙・・・つまりムーンサルトアタックをしているつもりなんでしょうが、ライガーは鼓膜が破れていて平衡感覚が正常ではない為に、真後ろに綺麗なバク宙をする事が出来ないので、結果的にラウンディングボディプレスの様な飛び方になっているだけと思われます。

平衡感覚に異常が有る状態で、こんな技を仕掛ける事が凄い事ではあるんですけどね。

 

1990年に開発して、暫くはライガーボム等と並ぶフィニッシュ技にしていた時期もあったのですが、同年の日米レスリングサミットで新日本プロレス提供試合として行なわれたvs野上彰で、ライガーがラウンディングボディアタックを仕掛けた際に、膝がマトモに野上の顔面にブチ当たってしまい 野上が失神してしまうと言うアクシデントが起こってしまいました。

 

今でこそラ・ブファドーラや ラ・ケブラーダ等の似た系統の技は、多数存在しますがこの時代は後方宙返りで立っている相手にぶつかっていくなんて まだまだ珍しい時代。

こんなアクシデントが起こってしまっては、さすがに危険度の高い技として封印されてしまう事になり、これ以降ラウンディングボディアタックが使われる事は、二度とありませんでした。

僅か数ヶ月しか使われなかった 非常に短命に終わった必殺技でした。

 

そもそも、この技は相手との適切な距離感と 相応の高さが必要不可欠で、そのどちらが欠けていても変な角度から当たったり、危険な個所に当たったりするのはしょうが無い事です。

よくよく考えてみたら こんな技を使うには、ライガーにはそもそもの跳躍力が足りないんじゃ・・・

 

ジャンプ力が足りないのも危険度が増す要因ではありますが、斜め後方に飛ぶこの技は、真後ろに飛ぶよりも 的確に相手に当てるのが難しいのは、確かに事実です。

(ライガーは真後ろに飛んでるつもりかも知れないけど)

 

あの時にあの事故が無くても いずれ同じ様な事故が起こっていた可能性は高いかも知れないです。

遅かれ早かれ ラウンディングボディアタックは、封印される運命にあった技かも知れませんね。