NOAHの象徴と言えば、例え時代が流れようが
”三沢光晴”
こう答える人が多いでしょう。
日本を代表する一流レスラーであり、創始者なのだからこれは当然な事で、現在を生きる選手達も三沢の意志を継ぎ NOAHを盛り上げるべくリングに立っています。
意志を継ぐと言う事は勿論 精神面での事もありますが、観ている人からも分かり易い例で言えば 三沢の技やムーブの継承。
直弟子にあたる丸藤正道や鈴木鼓太郎は、三沢のオリジナルであるタイガードライバーやエメラルドフロウジョンと言った技を継承したり アレンジしたりする事で、三沢の意志を受け継いでいますが、彼等は三沢と深いかかわりが有った人間なので、三沢の技を受け継ぐのも自然な流れ。
三沢が亡くなったのが2009年
当然ながらそれ以降に入門して来た選手達は、三沢に指導された事も無ければ面識だって無い訳です。
しかし 現代を生きるAOAHの若い選手にもしっかりと三沢の意志は受け継がれています。
その代表格と言えるのが清宮海斗
清宮は2015年3月に、NOAHに入門している為に三沢とは一切の面識はありません。 しかしNOAHに入門した以上は、三沢の存在は清宮の中でもまた別格だった筈です。 苦しい練習に耐え抜いて 12月にデビューを果たした際に、清宮が選んだコスチュームは緑のタイツでした。
今日デビューしたばかりの若手が、三沢のカラー NOAHのカラーを纏う等はなかなか出来ない事ですが、団体の清宮に対する期待や 自分がNOAHの未来となると言う強い決意の表れだったと思います。
そして清宮が、海外武者修行に旅立ち 凱旋したのが2017年12月
この時点で清宮はまだキャリア2年 本来ならばまだまだ国内に留まって第一試合で経験を積んでいる時期だったのですが、当時のNOAHは台所事情がかなり苦しく 若い新スターの誕生が急務だった事も有り、まだ若い清宮はトップ戦線に駆り出されて行く事になります。
やや強引な猛プッシュではありましたが、清宮はそれに答えるべく必死だったのは見ていて分かりました。 そんな清宮が必殺技に選んだのは、かつて三沢が得意としていたタイガースープレックスでした。
NOAHの象徴的な技となっていたエメラルドフロウジョンではなく、タイガースープレックスを選んだのは面白いチョイスだなとは思いましたが、両手のクラッチがしっかりと三沢式になっているのが、またポイント高いです。
指導をされた事も無ければ、面識すらない
でも清宮の中には、確実に三沢が居ました。
凱旋当初こそ空回りしてしまい 結果が付いて来ない時期も有りましたが、その後GHCヘビー級、グローバルリーグを制覇する等 年齢とキャリアの割には輝かしい実績をプレッシャーに押し潰される事無く掴み取った時のフィニッシュこそが、三沢光晴の意志を受け継いだタイガースープレックスでした。
直接三沢の指導を受けた選手が多く居る中で、面識すら無い自分が三沢の技を使う事に、最初は抵抗も有ったかも知れません。
でも清宮は、紛れも無くNOAHの未来
近い将来のNOAHを牽引するのは、間違いなく清宮です。
その決意の表れこそが、緑のタイツであり タイガースープレックスなのでしょう。
カタい打撃技では無く、垂直に頭から落とす危険な技でも無いタイガースープレックスは、もしかしたら今のNOAHでは異色なフィニッシュに映るかも知れません。
でも それを若い清宮が、敢えて使っている事が面白いと思います。
清宮が良く言う「新しい景色」
三沢の意志を継いだタイガースープレックスで、清宮がNOAHに「新しい景色」を作り上げてくれる日もそう遠くないと思います。