7月24日 新日本プロレス愛知県体育館のメインイベントで、行われた棚橋弘至vsKENTAの一戦。
今回の対戦で4度目となる訳ですが、今回はタイトルも権利証も懸っていなければ、公式リーグ戦でもない単なるスペシャルシングルマッチです。
しかし この何も懸っていない一戦には、大きな意味が有ります。
なかなか全盛期の様なコンディションに戻らず それに伴い戦績もイマイチ奮わずに ここ数年の棚橋は、苦しみ続けて来ました。
これまで東京ドームのメインを必ず任されてきた男が、近年ではメインから外れる事も多くなってきて明日に控える7月25日のドームに関しては、何と出場選手の中にすら名前が消えてしまいました。
この御時世なので、試合数そのものが減った事もあるので、運の悪い部分もあるのですが、ドームのカードに名前が無いと言うのは、ACEと呼ばれた男からすれば、屈辱以外の何物でも無いでしょう。
そんな中で 棚橋が復活の狼煙を挙げる為に選んだのは、昨年にUSヘビー級挑戦権利証争奪戦で敗れているKENTAへのリベンジでした。
KENTAには通算 1勝2敗と負け越しているので、ターゲットとするには絶好の相手。そこで棚橋はKENTAに挑発を仕掛けた所 KENTAも昨年に権利証の入ったブリーフケースを壊された事を持ち出して来て 2人の間に因縁が再燃した形となりました。
この2人の対決自体は、魅力的なカードだし 好勝負になるので好きな対戦カードなのですが、東京ドーム前日の試合としては、お互いに絶対に負けられない試合。
と言うのもドームのメインに出場する予定だった飯伏幸太が、誤嚥性肺炎と診断された事でドーム出場が危うい状況。
前日になっても まだ飯伏が出場出来るかどうか分からないと言う緊急事態ですが、オカダも内藤もSANADAも既にカードが決定済みの今 もしメインのカードに穴が開いたとなれば プロレスラーならば名乗りを上げるのは当然の事。その為には前日のメインで勝つのは最低条件でしょう。
明日を見据えているのは、KENTAも同じでしょうが、特にACE復権を目指す棚橋としては、何が何でも絶対に負けられないのは明白。
本来は西部ドームに向けた「100日後に仕上がる棚橋」計画を掲げていましたが、チャンスが転がり込んで来るかも知れない以上 復権は早ければ早いに越した事は無いでしょう。
かくして今回は、信念と覚悟でKENTAを上回った棚橋がKENTAへのリベンジに成功して復活への足がかりを掴みました。
大きな一歩です。
この日の棚橋も動きも悪くなかったです。
身体も順調に仕上がって来ていると思います
今の棚橋ならば、声を大にして東京ドームのメインに立つ事を宣言する資格も有るでしょう。
ドーム開催まで20時間を切っていると言うのに、メインのカードがどうなるか分からない異常な事態で、チケットを買っているお客さんも居る以上 本来ならば予定通り飯伏が出場するのが一番良いのですが・・・でもどうしても駄目な場合は・・・どうしても無理をさせられない場合は・・・
「準備出来てま~~す!!」
新日本プロレス上層部は、試合後に叫んだ棚橋の声を聞いてください。
新日本が苦境に陥った時、やはり新日本に光を照らすのは、棚橋弘至しか居ないと思います。