ジャイアント馬場「裏切るより裏切られた方が良いじゃないか」

1990年に、全日本プロレスを大激震が襲います。

メガネスーパーを母体に持つ資金力豊富な新団体SWSが、全日本プロレスから大量の選手を引き抜いたのです。

その中には、天龍源一郎やグレートカブキ、谷津嘉章の主力選手も含まれており全日本は、経営危機に陥ってしまいます。

 

それまで、看板カードだった ジャンボ鶴田vs天龍源一郎が、組めなくなった事が痛手だったのは言う迄もないですが、辞めていった選手の大半は、SWSの待遇面を魅力に感じて移籍を決意したそうです。

残された鶴田としては、これまで天龍と二人で全日本を盛り上げてきたのに、全日本を捨てて出ていった天龍に、怒りや哀しみの感情もあったと思います。

 

そんな鶴田に、馬場が

 

「裏切るより裏切られる方が良いじゃないか」

 

と声をかけ 鶴田をなだめたと言います。

 

なんとも馬場さんらしい人柄が良く出てる言葉ですが、実際にこう考える事が出来るなら人間出来すぎてますね。

 

・・・と同時に、若干 違和感もあります。

この裏切りと言うのは、移籍した天龍たちの事を指してる訳ですが、当時はお金より義理人情と言う風潮がありました。

 

プロ選手なんだから待遇の良い方に、動くのは当たり前の事だし、一般のサラリーマンだって給料が良い会社があれば 転職を考えますよね。

家族持ちなら尚更 条件の良い会社に転職をして批判される言われは無い筈だし何でプロレスラーだけ こんな事を言われるのか分からなかった物です。

 

それに天龍は、馬場に対して

「他の選手の引き抜きもしないし馬場さんには迷惑をかけない」

とハッキリ言う事で、きちんと筋を通しています。

 

他の選手の移籍は、引き抜きではなく、あくまで自発的な物なので、少なくとも天龍に関しては、裏切り行為は無いと認識しています。

そもそも本来は、移籍=裏切りでは無いので移籍した選手達が、バッシングを受けてきたのも可愛そうなな話です。

馬場の晩年には、現場の反対により実現はしませんでしたが、天龍を全日本に参戦させる構想もあったようだし、馬場と天龍の間にはわだかまりは無かった筈

なので鶴田に建前として、ああは言った物の天龍が裏切った言う意識は、馬場には無かったと思います。

・・・他の選手達は、知りませんけど。

 

裏切りと言えば全日本よりも

新日本のイメージですしね(笑)