高橋ヒロムのMVPは有り得るか?

今年も下半期に入り、残すところあと4ヶ月弱となりました。

プロレスファンとしては、ここで気になるのはプロレス大賞の行方でしょうか。 中には団体の規模によって忖度が見え隠れしたりする事に、この賞に価値を見出だせない人も一定数居るとは思いますが、それでもこの賞を受賞する事は一つのステータスである事に変わりはありません。

 

その中でも一年を通して活躍した選手に贈られるMVPは、その年の業界の顔でもあるので、狙う狙わないに関わらず結果的に最注目の賞でもあります。

そして今年も残すところ4ヶ月弱で、新日本プロレスの高橋ヒロムが、MVP獲得を口にしました。

 

果たしてヒロムのMVPは、有り得るでしょうか?

歴史を振り返ってみると かつてJr.ヘビー級でMVPを獲ったのは、1982年の初代タイガーマスク只一人。

Jr.は駄目という訳ではありませんが、どうしても 団体の顔はヘビー級であり 大きなインパクトが有るのもヘビー級なので、Jr.でのMVPはかなり難しいと思います。

初代タイガーは別格だとして、Jr.のMVPはあの獣神サンダー・ライガーですら成し得ていない事なので、それが如何に難しい事かは分かるでしょう。

 

順当に考えると、今年のMVP候補は

内藤哲也(G1優勝)

オカダ・カズチカ(IWGP獲得、NEVER6人タッグ獲得)

SANADA(IWGP獲得、NJC優勝)

ウィル・オスプレイ(USヘビー獲得)

ジェイク・リー(GHC獲得)

潮崎豪(N-1優勝)

永田裕志(3冠獲得)

小島聡(王道T優勝)

青柳優馬(3冠獲得、世界タッグ獲得、UNタッグ獲得)

過去の歴史を見てもMVPは、メジャー団体のヘビー級に集中している事から、メジャー団体での実績から、この辺りの選手が妥当かと思われます。

 

単純なタイトル歴等の実績だけではなく、業界に与えたインパクトや話題性・貢献度も加味される事を考えると 対抗戦で拳王を倒して、武藤敬司の引退試合の相手を努めた内藤や 敵地ノアのドーム大会で、因縁の清宮海斗を撃破したオカダなんかはポイントが高いと思います。

全ての試合において平均点以上の内容を残し、ケニー・オメガやクリス・ジェリコら世界の強豪を乗り越えてきたオスプレイ。

1月のノア参戦から至宝を一発奪取して N-1こそ逃した物の9ヶ月で僅か一敗しかしていなジェイク。 

史上最年少で外敵・小島から3冠を奪還した青柳は、世界タッグも保持しているしインパクトはありますね。 上半期はUNタッグ王座も保持していたので素晴らしい実績です。

 

そんな中でヒロムのMVPの可能性を考えると、1.4でIWGPJr.ヘビーを獲得して これまで6度の防衛を果たしているので、タイトル戦での実績は文句なしなんですが、スーパーJr.で惜しくも優勝を逃したのが痛かったかも・・・

しかし可能性を見出すとすれば インパクトや業界への貢献度・話題性の部分になるでしょうか。

 

何と言っても忘れてはいけないのが、ヒロムが提唱して実現した3月の「オールスター・ジュニアフェスティバル」は大成功を収めています。

大会に参戦した全員の力ではありますが、あの大会を実現させ成功に導いたのは、業界を盛り上げるのに大いに貢献しています。

 

インパクトの面では、LIJとノアとの対抗戦で大原はじめを撃破して、ノアの東京ドームでは王者対決で、AMAKUSAを撃破。

そして今年のヒロムは、とにかく業界を盛り上げるために精力的に動いており、ノア、全日本プロレス、ドラディション、ドラゴンゲート、フリーダムズ、GLEAT、AEW、インパクト、ROH、CMLLと国内外・大小に関わらず様々な団体に参戦。

これだけの団体に参戦して YAMATOやライジングHAYATO、ミスティコらとも激闘を繰り広げ その上で負け無しで乗り切り Jr.ヘビー級の象徴である事を証明して来ました。

 

この後は、みちのくプロレスやDDT参戦も決定しているし、とにかくヒロムは良く働きます。

 

貢献度と言う事を考えれば、ヒロムは間違いなくMVP級の活躍をしているのですが、実際の所Jr.ヘビー級がMVPを獲るのは、なかなか難しいと思います。

階級に関係なく 全ての要素を考えて選考した上でヒロムがMVPになるのならば面白そうだし、全然アリなんですけどね。

 

東スポプロレス大賞は、ファン投票では無く あくまで選考員が決める物なので、そこには大きな団体への忖度や 各団体へのバランス等を考慮した結果が、少なからずあると思いますが、団体の大小や選手の階級に関係なく 真に公平に選考してもらう事を願うばかりです。

その上で、ヘビー級の選手や他団体の選手が、MVPを獲るのなら それはしょうがない事だし、実際にそれに見合うだけの活躍をして来た選手は、各団体にいますから、果たしてどうなる事か・・・

 

「やらなきゃいけないでかい仕事、残ってますよ、まだまだ。どうなんですかね。新日本を含め13団体にIWGPJr.のベルトをアピールしている…。こんな選手が今までいましたかね? これはもうMVP待ったなしじゃないですか?」

ヒロムのこの猛アピールは、果たして実を結ぶのか?

 

2023年も4ヵ月弱 MVPに向けてヒロムのラストスパートが始まります。